初めての中古車選び、購入時の流れや必要な書類などについて

目次

車の購入を検討されている方の中には、中古車を選択される方も多くいらっしゃるはず。

しかし一般的な買い物とは異なり、車の購入には書類の準備や各種手続きが必要となります。車を購入する機会は頻繁ではないため、手順を正確に理解することは容易ではありません。

適切な購入手順を踏むことはもちろん、それに伴う注意点を事前に把握しておくことが重要です。

当記事では、中古車購入を検討されている方に向けて、購入時の流れや必要な書類などについて詳しく解説していきます。

1.中古車を購入する際の11ステップ

中古車の購入は、多くの方にとっては頻繁に行う買い物ではありません。

一連のプロセスを正確に把握しておくことでより良い中古車の購入や、トラブル回避に繋がるはず。

ここでは、中古車購入における主要なステップや必要書類、留意点について整理していきます。

1-1.維持費などを含めた予算の決定

中古車購入の最初の一歩は予算の設定です。

単なる車両本体価格だけでなく、自動車税や重量税、自賠責保険、任意保険、車検費用、登録手数料など、取得時および維持管理にかかる諸経費を包括的に見積もることが重要です。

特に維持費は長期的な支出となるため、無理のない計画を立てることが大切。後々の家計圧迫や予期せぬ出費を抑えられます。

1-2.ライフスタイルに適した希望車種の選定

予算が明確になったら、生活スタイルや用途に合致する車種を検討しましょう。

例えば乗車人数やボディタイプ、エンジン特性、燃費性能などを総合的に考慮します。ご家族が多ければミニバンを、日常の通勤が中心であればコンパクトカーを選ぶなど、具体的なニーズに即した選択が重要です。

1-3.販売店への問い合わせ

購入候補となる車種がある程度固まったら、複数の販売店に問い合わせを行い、在庫状況や販売価格を確認します。

価格は販売店によって差異が生じるため、複数店舗を比較することでより適正な価格帯を把握できるでしょう。また、あらかじめ中古車情報サイトなどで相場感を確認しておくのもおすすめです。

希望車種が在庫にあり、予算内で収まりそうな場合は、実車確認のための来店予約に進みましょう。予約なしで訪問すると十分な接客対応が受けられない場合があるため、事前にアポイントを取り付けておくと安心です。

1-4.店舗訪問・現車確認

来店後は、現車を実際に目視・触察・試乗することで、オンライン上の情報では把握しきれない細部を確認します。

オンライン上に掲載されている写真で判断できる範囲にはどうしても限りがあり、写りや光の加減などから見づらいこともあります。また、見た目が新車同様であっても車内が破損していたり、異臭を放っていることも少なくありません。

必ず現車を確認し、外装のキズやへこみ、塗装状態、内装の汚れや臭い、シートの損傷といった視覚・嗅覚的な点を丁寧にチェックしてください。

試乗時は異音や異臭、ハンドリングやブレーキの利き具合なども入念に確認しましょう。

また、販売員の知識や接客態度も店舗選びの重要な判断材料となります。販売員の対応の丁寧さや知識の豊富さは、そのお店が信頼できるかどうかを判断する上で大きな要素となります。

1-5.見積もりの確認

現車確認が終わったら、販売店に見積書の作成を依頼します。

ネットや店頭などに記載されている「支払総額」は、「車両価格」と「諸費用」が含まれるのが一般的です。その内訳を精査し、記載されていない税金や登録費用がないかを確認することが肝心です。

見積もり金額が自身の予算に合致しているか、支出項目に不明瞭な点がないかなど丁寧にチェックしましょう。

1-6.ローン審査と駐車場確保

中古車購入の多くはローンを利用しますが、融資を受けるには金融機関による審査が必要です。また、居住地によっては駐車場の確保が前提となるため、車庫証明書の取得が求められる場合もあります。

これらの手続きには一定の時間を要することがあるため、納車希望時期から逆算して余裕を持った準備を行いましょう。

1-7.契約に必要な書類の準備

中古車購入時は、印鑑証明書や住民票、軽自動車の場合は申請に必要な書類が異なるなど、車種区分に応じて必要書類が変わります。

所有権移転や登録手続きを円滑に進めるため、販売店から示された必要書類を速やかに揃える必要があります。車庫証明書、印鑑証明書、住民票などの必要書類は後ほど詳しく記載していきます。

1-8.契約手続き

諸費用や書類準備が整えば、いよいよ契約となります。

契約書は法的効力を持つ重要書面ですので、記載内容を一通り確認した上で疑問点があれば必ず解消してから署名してください。

金額面や保証条件などの重要事項は特に入念なチェックが求められます。

中古車は新車より納車までの期間が短い傾向にありますが、整備や登録、ローン実行日程等により、納車まで概ね1~2週間程度の余裕を見込んでおくと安心です。

1-9.保険加入手続き

自動車には「自賠責保険(強制保険)」と「任意保険」の2種類の保険があります。

自賠責保険の加入は法律で義務付けられているため、通常は購入時の金額に組み込まれています。一方、任意保険はその名の通り加入が任意の保険で、自賠責保険では補償されない範囲を補償するものです。

特に初めて車を所有する方は、保険会社の選定と契約を早めに行い、納車手続きを進めましょう。

1-10.支払い方法の選択

中古車を購入する際の支払い方法は、大きく分けて「一括払い」と「ローン」の2つがあります。

一括払いは、現金またはクレジットカードで全額を一度に支払う方法です。金利がかからず総支払額を抑えられるのがメリットですが、ある程度まとまった資金が必要です。

ローンでの支払いの場合は、銀行またはディーラーや中古車販売店などからお金を借りて支払います。

審査が必要ですが、まとまった資金がなくても車を購入できます。金利がかかるため、総支払額は一括払いよりも高くなる点を覚えておきましょう。

どの支払い方法を選ぶかは、ご自身の資金状況や返済計画によって異なります。自身の資金計画やライフプランを踏まえ、最適な支払い方法を選択してください。

1-11.納車

自動車の登録、整備、清掃が完了し、いよいよ納車となります。

一般的に販売店にて車を引取りとなるため運転免許証を携行するとともに、契約書内容と実車の状態が合致しているか再度確認します。

外装や内装、オプション装備、エンジン音などを入念にチェックし、不備があればその場で販売店に申し出ることをおすすめめします。

中古車は新車と異なり保証期間が短いケースも多いため、納車後しばらくは、車両の状態を注意深く観察し、異音や異臭など何か気になる点があれば速やかに販売店に相談しましょう。

2.ディーラー、中古車販売店、特定車種専門店もしくは個人売買などから購入先を選定する

中古車を購入する際には、「ディーラー」「中古車専業店」「特定車種専門店」「個人売買」など、複数の選択肢が存在します。

それぞれが異なる強みや特徴があるため、購入者は自らのライフスタイル、用途、重視事項(品質、価格、車種特性、アフターサービスなど)に照らし合わせて、最適な購入先を選ぶことが大切。

各販売形態のメリット・デメリットを整理していきます。

2-1.品質を重視し、安心して長く乗り続けたい方はディーラー

ディーラーはメーカーから認証を受けた正規販売店であり、原則として厳格な品質基準の下で中古車を提供します。

定期点検や整備が徹底されているため、車両状態が良好なケースが多く、購入後のメンテナンスや修理を同一拠点で行える利便性も大きな魅力です。

一方で、一般的な中古車販売店と比べると価格帯はやや高めで、取り扱い車種が限定的になる場合があります。

とはいえ、長期的視点で「良質な一台」を求め、信頼できるアフターサポートを重視される方にとって、ディーラー購入は有力な選択肢です。

2-2.様々な車種を取り扱っており、比較検討がしやすい中古車販売店

中古車専業店はメーカーの垣根を超え、多種多様な車種を取り扱っています。

豊富な在庫から実車を直接比較でき、手の届きやすい価格面の車も多く販売しています。ただし、品質や保証は店舗ごとに大きく異なり、中にはアフターサービスが不十分な販売店も。

信頼性の高い店舗を選ぶためには、口コミサイトで評判を確認したり、中古車に詳しい知人の意見を参考にするなど、事前調査をしておくことが大切です。

2-3.すでに欲しい車種が決まっているのであれば特定車種専門店

スポーツカーや外国車など、特定ジャンルに特化した専門店は、すでに明確な「欲しい車種」が決まっている方に最適です。

同一車種を複数台取り扱っているため、年式・仕様・走行距離など微細な違いまで比較検討でき、ニーズに最も適した一台を選びやすくなります。

さらに、その車種に精通した整備士やスタッフが常駐しているケースが多く、購入後のメンテナンスやチューニングに関する相談もスムーズです。

唯一の課題は、専門店が近所にない場合や、サービス内容が店舗間で大きく異なる点です。購入前には事前に問い合わせや店舗訪問を行い、担当者の対応や保証内容を把握しておきましょう。

2-4.リスクは高いが低価格で車を購入したい、希少な車を探している方は個人売買

個人間売買は、流通コストや中間マージンが抑えられるため、一般的な店頭販売価格より安価に入手できる可能性があります。

また、市場にはほとんど出回らない希少車種を手に入れられるケースも。しかし、手続きはすべて自己責任。名義変更や登録業務、車両状態の確認など煩雑な対応を全て自身で行う必要があります。

さらに販売店のような保証やサポートが得られない場合がほとんど。そのため、車両のトラブルや売買に関する問題に巻き込まれるリスクが高いことも事実です。

また納車後に不具合が見つかる、代金を支払ったのに車が渡されないといったトラブルも少なくありません。

購入経験が豊富かつ相応の知識がある方でなければ、難易度が高い選択肢と言えるでしょう。

3.中古車の購入に必要な「保険料」「税金」「登録関連費用」などの諸費用

前述のとおり、ネットや店頭で表示されている中古車の価格は「支払総額」と呼ばれ、これは「車両価格」に「諸費用」を加えた合計額を示しています。

まず、車両価格とは店頭で引き渡す際の消費税込みの現金購入価格を指し、展示時点で装着済みのナビゲーション、オーディオ、カスタムパーツなどのオプションが含まれるケースが一般的です。

また、販売店が「定期点検整備」や「保証」を付帯して販売する場合、それらも車両価格に反映されています。

一方、諸費用は「保険料」「税金」「登録関連費用」から成り立ちます。

具体的な内訳は以下のとおりです。

  • 保険料(自賠責保険料および任意保険料):自賠責保険は法律で加入が義務付けられているため、基本的に支払総額に含まれます。一方、任意保険は購入者の自由選択であり、加入した方のみ費用が発生します。
  • 税金(環境性能割、自動車重量税、自動車税など):これらの税額は、車種や年式、排気量、燃費性能などにより変動します。事前に確認することで、購入計画をより確実なものとすることができます。
  • 登録等に伴う費用(車庫証明の取得、車両の検査・登録手続き、希望ナンバープレートの取得、名義変更など):これら手続きは「登録等手続代行費用」と呼ばれ、販売店に代行を依頼する場合は1万円~3万円程度が相場です。販売店ごとに料金が異なるため、比較検討することが重要です。

4.【普通自動車・軽自動車共通】購入する際に販売店側から用意される必要書類

車を購入するためには、いくつかの書類を準備する必要があります。

必要書類は、普通自動車と軽自動車の場合で若干異なります。普通自動車、軽自動車の購入に必要な書類は以下の表をご覧ください。

普通自動車 軽自動車
実印 印鑑(認印可)
印鑑証明書 住民票
車庫証明書 保管場所届出
車検証
自賠責保険証明書
委任状

ここでは、共通して必要な書類とそれぞれ異なる書類を紹介します。

また、以下は基本的に販売店側が用意する書類ですので、自分が準備する必要はありません。用意された書類は必ず保管しておきましょう。

4-1.車検証

車検証は、その自動車が法律で定める基準を満たしていることを証明する公的文書です。

車両の基本情報や車検有効期限などが記載されており、車検手続きや保険加入時に必要不可欠となります。

中古車販売店は車検証を厳重に保管しており、納車時に購入者へ引き渡されます。なお、運行時には車検証の携帯が義務付けられているため、後述の自賠責保険証明書とともに車内に常備しておきましょう。

4-2.自賠責保険証明書

自賠責保険証明書は、法律で加入が義務付けられた基本的な対人保険の加入を証明する書類です。

この保険は自動車そのものに付帯するため、契約者の名前が誰であってもその車を運転している人が事故を起こした場合に被害者に支払われる保険です。そのため車を売買しても、保険の効力がなくなるわけではありません。

車検証同様に販売店で保管されているため、納車時に受け取ることが可能です。

ただし、前所有者の名義が残ったままでは、万が一の事故発生時に保険金請求が複雑化する恐れがあります。円滑な手続き・補償を受けるためにも、早急に名義変更を行いましょう。

4-3.委任状

委任状は自動車の名義変更などの手続きを、自動車販売店などの代理人に委託することを証明する書類です。

通常、販売店が用意した委任状に購入者が実印を押し、手続きを委任します。この際、委任内容に不当な点や誤記がないかを入念に確認することが重要です。

委任状は法的な効力を有するため、署名・捺印前に記載事項を十分理解したうえで手続きを進めましょう。

5. 普通自動車を購入する際に自分で準備が必要な書類

中古の普通自動車を購入、名義変更を行う際の手続きに必要な書類を記載します。スムーズな購入のために、手続き前に抜け漏れのない準備を心がけましょう。

5-1.実印

普通自動車の名義変更には、役所に登録済みの実印が必要です。実印として登録可能な印鑑は、直径8~25mm程度で変形しにくい材質(木や金属など)が一般的。

ゴム印など変形が容易な印材は認められないケースもあります。また、実印登録の際には運転免許証などの顔写真付き身分証明書が必要となります。

5-2.印鑑証明書

実印の正当性を証明する「印鑑証明書」も必須です。印鑑証明は、実印を登録した市区町村の役場で取得でき、一般的な発行手数料は300円程度。

手続きの際は発行日から3ヶ月以内の印鑑証明が必要になります。

代理人でも印鑑登録カードを持っていれば委任状なしで手続き可能です。

5-3.車庫証明書

「車庫証明書」は、購入した車両を適正に保管する場所があることを示す公的書類。

公道や他者所有地に無許可で駐車することは違法なため、新車や中古車を購入する際には事前に車を停める場所を確保し、その場所を管轄する警察署への届出が必要です。

交付までには通常数日~1週間程度を要するため、スケジュールにゆとりを持って届出を行いましょう。

自分で手続きするのが面倒な場合は、自動車販売店や専門業者へ代行を依頼することも可能です。ただし、その際は2万円程度の代行手数料が発生する場合があります。

6.軽自動車を購入する際に自分で準備が必要な書類

軽自動車の場合、普通自動車の購入と異なり、必要書類や手続きの一部が簡略化されるケースがあります。以下に軽自動車購入時に用意が求められる代表的な書類を記載していきます。

6-1.印鑑

軽自動車購入時には、印鑑登録された実印までは不要なケースが多く、認印での対応が可能です。

ただし、三文判やインク内蔵型のシャチハタ印鑑は認められない場合があるため、事前に販売店へ確認することをおすすめします。

なお、2020年12月以降、国土交通省管轄の手続きにおいて捺印不要化が進められています。しかし、実務上は中古車販売店側が捺印を求めるケースも依然として存在するため、印鑑を用意しておくと安心です。

6-2.住民票

本人確認および名義変更手続きのために、発行後3ヶ月以内の住民票が必要となる場合があります。

市区町村の役場窓口で取得するのが一般的で、手数料は1通あたり300円程度が目安。運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を提示することでスムーズに取得できます。

最近では、コンビニエンスストアでのマイナンバーカードを用いた住民票取得サービスも普及しており、コストや時間の面で利便性が向上しています。

6-3.保管場所届出

自動車保管場所法に基づき、多くの地域で「保管場所届出」が必要です。

これは車庫証明書と同様で、軽自動車の保管場所を確保したことを証明する書類です。自動車保管場所法に基づき、自動車を登録する際に取得が義務付けられています。

人口密集地域では必須とされる一方、特定地域では不要なケースもあるため、事前に管轄警察署の公式サイトや窓口で確認しておきましょう。

申請手数料は都道府県によって異なりますが、一般的には500円前後が相場となっています。

7.中古車購入ではクーリングオフ制度が基本的に適用されない点に注意

中古車購入契約は、原則として締結後のキャンセルが認められません。

一般的には、販売店が提示する契約書に署名・捺印した時点で「売買契約」が成立するため、一方的な契約解除は困難であることを理解しておく必要があります。

さらに、書面による契約が未締結であっても、頭金や手付金の支払いが行われた場合「実質的に売買合意が成立した」とみなされるケースも少なくありません。

金銭の受け渡しを伴う行為は、販売店・購入者双方が取引条件に同意したと解釈されやすく、その後の一方的な解約は困難となります。

また、一定条件下で契約を解除できる「クーリングオフ制度」も基本的に中古車売買には適用されません。

中古車取引は、購入者が自ら店舗に赴き、実車確認や価格交渉を十分に行い、納得した上で契約を行うことが前提とされているため、この制度の対象外となっています。

中古車の購入は、高額かつ基本的に長期的な使用を前提とした買い物です。

契約前に不明点を積極的に販売店へ確認し、すべて納得した上で署名することが大切です。

8.中古車購入後でもキャンセルが可能な例外ケースについて

前述のように、原則として中古車購入契約は成立後にキャンセルできません。しかし、特定の条件下では契約を解除できる可能性が存在します。

以下では、代表的な3つの例外事例をご紹介しましょう。

8-1.契約内容と実車状態に大きな相違がある場合

契約時に提示された内容と実際の車両状態が大きく異なる場合、「契約不適合」を理由とした解除が考えられます。

例えば、修復歴や事故歴が隠されていた、走行距離が不正に改ざんされていた、といったケースが該当します。

ただし、販売店が事前にその相違点を明確に説明していた場合は契約不適合を主張することは困難に。

だからこそ購入前には車両の状態を入念に確認し、不明点は必ず契約前に販売店へ確認することが大切です。

8-2.未成年者が親権者の同意なく契約した場合

未成年者が親権者の同意を得ずに中古車購入契約を締結した場合、「未成年者取消権」により、その契約は原則として取り消すことが可能です。

これは未成年者が契約内容を適切に理解できないリスクを軽減するために法律で設けられた保護措置です。

しかしキャンセル手続きには一定の期間制限があるほか、販売店との交渉が難航する場合も。その際は、速やかに弁護士などの専門家や消費者相談窓口へ相談することをおすすめします。

いずれにせよ、未成年者による購入は事前に親権者の明確な同意を得ることが最も望ましい対応といえるでしょう。

8-3.キャンセル料を支払うことで契約解除する場合

契約条件によってはキャンセル料を支払うことで契約解除が可能なケースも存在します。一般的な相場は売買代金の10%~20%程度。

消費者契約法により、キャンセル料は「平均的な損害の範囲内」に限られ、販売店は購入者から問合せがあれば、その金額や算定根拠について説明する義務があります。極端に高額なキャンセル料を請求された場合、その一部が無効となる可能性もあります。

なお、契約書に「キャンセル不可」の記載がある場合は、この選択肢自体が適用されないケースもあるため、契約前に条件を十分に確認しておくことが重要です。

9.中古車購入に関するトラブル相談窓口も

万一、中古車購入後にトラブルが生じた場合、早期かつ適切な対応が求められます。本章では主な相談機関をまとめていきます。

ただし各機関は対応範囲や得意分野が異なるため、トラブルの内容や状況に応じて、最適な窓口を選択する必要があります。

9-1.国民生活センター

国民生活センターは中古車購入に限らず、商品の販売やサービス全般に関する幅広い消費者トラブルへ相談対応を行う公的機関です。

中古車に関しては購入・売却双方にわたる年間7,000件超の相談実績を有しています。

ただし、同センターは助言や情報提供を行う相談機関であり、当事者間交渉や法的手続きの代理は行いません。あくまで初期対応の参考情報を得る窓口としてご活用いただくと良いでしょう。

9-2.日本中古自動車販売協会連合会(JU)

JUは、中古車取引の健全化および消費者保護を目的に設立された一般社団法人です。

全国の中古車販売店が加盟しており、公式サイトにはトラブル事例や消費者向けアドバイスが掲載されています。事前に目を通しておくことで、リスク回避や安心した取引に資する情報が得られるでしょう。

JU加盟店は一定基準をクリアしているため、消費者保護の観点から信頼性が高い傾向にあります。ただし、加盟店であってもすべてのトラブルに対応できるわけではない点には留意が必要です。

9-3.自動車公正取引協議会

自動車公正取引協議会は、自動車(新車・中古車含む)の公正な取引と消費者保護を目的とする一般社団法人です。

公正な販売表示ルールの策定を通じて、健全な市場形成を推進しています。相談は公取協加盟店に限られますので、問い合わせ前に販売店が加盟しているか確認することをお勧めします。

加盟店は公取協の定める一定基準を満たしており、信頼性の一つの指標となりますが、あらゆるトラブル解決を保証するものではありません。

9-4.自動車製造物責任相談センター

自動車製造物責任相談センターは、車の品質面で問題が生じた場合に無料で相談できる専門機関です。専門家によるアドバイスや、メーカーとの和解斡旋に対応しており、消費者視点で様々なサポートを受けることが可能です。

「相談」「和解の斡旋」は無料で利用できますが、「審査」を求める場合には5,000円程度の手数料が発生します。自動車の品質に問題があると感じた場合は、まずこちらに問い合わせてみましょう。

まとめ

今回は車を購入する際の手順を説明してきました。

中古車購入は決して安い買い物ではないからこそ、信頼できる販売先の選定と車両状態の入念な確認が不可欠です。

契約条件や保証内容を事前に理解し、事故歴や走行距離、修復歴などを詳細にチェックすることで、将来的なトラブルを避けられるはず。

また、特定の車種は相場が変動しやすいことも。

希望する車種が明確な場合には、中古車情報サイトなどを活用し、年代や型式、グレードによる価格差を把握しておきましょう。

<ここにパラメーター付きグーネットのリンク(現時点では添付なし)>

これまでご紹介したポイントを押さえることで、希望の中古車をより安心感をもって手に入れることができるはずです。

より良い中古車選びのため、ぜひ当記事を参考にしてみてください。