「アバルト」にBEV仕様の「BARTH 500e」が追加。200台限定「ABARTH 500e Scorpionissima」も

■女性からも支持を集めているアバルトに、BEVという選択肢が加わる

欧州Aセグメントを代表するスモールカーであるフィアット500は、2023年10月現在、ガソリン車とバッテリーEV(BEV)の500eが併売されています。

アバルトに加わったバッテリーEVの「ABARTH 500e」
アバルトに加わったバッテリーEVの「ABARTH 500e」

ホットハッチバージョンとして走り好きから圧倒的な支持を集めている「アバルト」にも、BEV仕様である「エレクトリック・スコーピオン」を名乗る「ABARTH 500e(アバルト500e)」が加わりました。

アバルト500eのオンラインプレス発表会の様子
アバルト500eのオンラインプレス発表会の様子

アバルトの日本での人気は絶大で、貴重なスモールハッチとして定番化しています。なお、日本におけるアバルト販売は、母国イタリアを抜き、世界で最も売れている国になったそうで、男性だけでなく女性のファンも増えているようです。

2023年10月11日に開催されたオンラインプレス発表会では、Stellantisジャパンの打越 晋社長が自らステアリングを握り、「ブルルルンー」というエンジン車のようなサウンド(ステアリングスイッチでオンとオフが可能なサウンドジェネレーターによる)を響かせながら走るインカーの映像からスタート。

「Abarth 500e」のイメージ
「Abarth 500e」のイメージ

打越社長は、運転が楽しすぎて!?、会場に戻ってくるのが遅くなるというハプニングも伝わってきました。なお、オンラインでプレス発表したのは、「アバルト=走り」という想いから社長がステアリングを握るシーンを発信したそうです。

打越社長、ある一部から「顔つきが某局のキャラである『チコちゃん』に似ている」という声もあったと自虐?披露していました(笑)。

発売開始は、2023年10月28日(土)で、ローンチエディションの「ABARTH 500e Scorpionissima」は200台限定で設定されています。

●エンジン仕様のように「レコードモンツァ」のエキゾーストノートを楽しめる

黒を基調とした「Abarth 500e」のインテリア
黒を基調とした「Abarth 500e」のインテリア

先述したように、BEVであっても「レコードモンツァ」のエキゾーストノートを堪能できます。エンジン車のそれを忠実に再現するべく、あらゆるシーンで録音されたそうです。

この「サウンドジェネレーター」は、ステランティス・グループのサウンドデザインスタジオと、イタリアのステランティス専任チームの共同で開発。音響試験と研究は、正確で信頼性の高い騒音測定を行うために、半無響室(内部の騒音レベルが極めて低く、外部からの遮音性が高くなるように特別に設計された部屋)で実施されたそうです。

「Abarth 500e」のキャビン。乗車定員は4名
「Abarth 500e」のキャビン。乗車定員は4名

さらに、反射床の採用により、道路のような音響反射面を再現することが可能になったとしています。プロジェクトチームが、延べ6000時間以上をかけて完成したサウンドは、アバルトらしいダイナミックな走りとスピード、アクセル開度とリンク。アバルトのガソリンエンジン音が忠実に再現されています。

「ABARTH 500e」は全長3.6mのコンパクトな全長を維持しながら、最高出力114kW(155PS)・最大トルク235Nmの、パワフルでレスポンスの優れたモーターと42kWhのバッテリーが搭載されています。低中速域から厚みのあるトルク、高速域でもエキサイティングな走りを実現しているそうです。

バッテリー容量はFIAT500eと同じ42kWhだが、ハイパワー化されている
バッテリー容量はFIAT500eと同じ42kWhだが、ハイパワー化されている

航続距離はハッチバックが303km(充電走行距離 WLTCモード)。カブリオレが294km。バッテリー容量は、フィアット500eと同じで、フィアット500eの335kmに対して、ハイパワー化により航続距離は短くなっています。

なお、500eは87kW(118PS)/220Nmというモーターの出力、トルクとなっています。

0-100km/h加速は7秒で、「ABARTH 695」とほぼ同じタイム。20-40km/h、40-60km/hの中間加速では、「ABARTH 695」より約1秒間短縮。街乗りや郊外路、都市高速などでは「Abarth 695」を超えるパフォーマンスを享受できます。

また、ガソリンモデルに対し、前後重量配分が「57:43」に改善され、トレッドも60mm拡大され、俊敏性と走行安定性を両立したとしています。

●エクステリアの随所に、サソリを模したパーツを配置

「Abarth 500e」のヘッドライト
「Abarth 500e」のヘッドライト

「ABARTH」のロゴが印象的なエクステリアは、ひと目でBEVと分かるディテールが目を惹きます。ブランドアイデンティティであるサソリのパーツが模されたデザインが、アバルトとして初採用されています。具体的には、18インチアルミホイールやフロントバンパー、ステアリングホイールはサソリの爪を模したそうで、独特な外観のリップスポイラーは、サソリの足が模されています。

先述したフロントグリルのブランドロゴは、「ABARTH 500e」では、ダークチタングレーのアバルトレタリングが初めて採用されてます。さらに、稲妻の放電によって描かれたかのような新しいデザインのスコーピオン・エンブレムが両サイドに配置されています。

アバルトらしさを感じさせるディテール
アバルトらしさを感じさせるディテール

スタイリングは、スポーティな印象のフロントバンパー、アクセントカラーとしてホワイトが配されたリップスポイラー、精悍な印象を与えるフルLEDヘッドライトなど、コントラストのある引き締まった仕立てになっています。サイドのリヤフェンダー上部には、BEVのアバルトを特徴づけるBEV専用のロゴが配されています。

18インチアルミホイールを履く
18インチアルミホイールを履く

黒を基調とした一方のインテリアは、シックでスポーティなムードが漂っています。インパネやステアリング、ヘッドレスト一体型スポーツシートなどにアルカンターラ素材が多用され、高級感を醸し出しています。ヘッドレストには、「ABARTH 500e」専用ロゴが用意され、ブルーとイエローのステッチが施された一体型スポーツシート、ステアリングホイールに配置されたブルーのトップマークとともに、スポーティムードを引き上げています。

「Abarth 500e」のメーターパネル
「Abarth 500e」のメーターパネル

また、スモールカーでも安全装備も充実しています。衝突被害軽減ブレーキをはじめ、レーンキーピングアシスト、標識を認識、表示する「トラフィックサインレコグニション」、ブラインドスポットモニターがアバルトとして初めて採用されました。

設定されるボディカラーは、「アンチドーテホワイト」「ベノムブラック」「アドレナリンレッド」「アシッドグリーン」の4色。ボディタイプは、ハッチバックとカブリオレの2タイプになります。

●導入限定車の「ABARTH 500e Scorpionissima」を200台用意

スマホ連携が可能なセンターディスプレイ
スマホ連携が可能なセンターディスプレイ

先述したように、ローンチエディションの限定車「ABARTH 500e Scorpionissima」も設定されています。ブランドの誕生年にちなみ、全世界で1949台が発売され、うち200台が日本で発売されます。

ベースは「ABARTH 500e Turismo」で、ボディタイプは、ハッチバックとカブリオレの2タイプ。専用サイドデカール、デジタルサーティフィケーション、ウェアラブルキーが特別装備され、ボディカラーは、限定車専用色の「ポイズンブルー」のほか、「アシッドグリーン」の2色が用意されます。

「Abarth 500e」のラゲッジスペース
「Abarth 500e」のラゲッジスペース

「ABARTH 500e」の発表を記念し、商品サイトから先行予約をしたうえで成約した先着10名に、アバルトロゴ入り充電器がプレゼントされるキャンペーンが2023年10月11日から開始されています。

また、10月28日(土)と29日(日)の2日間、全国のアバルトディーラーでデビューフェアも開催。ブランド創始者であるカルロ・アバルトの生まれ月である11月を記念し、11月には「ABARTH DAY」の開催も予定されています。

■価格
「ABARTH 500e Turismo Hatchback」:615万円
「ABARTH 500e Turismo Cabriolet」:645万円
「ABARTH 500e Scorpionissima Hatchback」:630万円(150台限定)
「ABARTH 500e Scorpionissima Cabriolet」:660万円(50台限定)

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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