■トヨタとマツダのブース壁面を漫画家の曽田正人氏が手がける
2023年6月10日・11日に開催されるル・マン24時間レースは、今年で記念すべき100周年を迎えます。
以前お伝えしたように、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、サルト・サーキット内のManufacturers’ Villageにおいて、日本政府観光局と共に「Japan. Endless Discovery.」に出展。トヨタは、100周年を迎えたル・マンに感謝の意を込めて、コンセプトカーの「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」をワールドプレミアしました。
「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」は、新型プリウスをベースにWEC参戦車両の「GR010 HYBRID」に触発された専用ホイールやエアロパーツなどをまとっています。
優れた走りを実現するという同コンセプトカーは、今後、WEC第6戦 富士6時間耐久レース会場などでも展示される予定になっています。
「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」の見どころは、専用エアロパーツによる空力性能の向上をはじめ、サイドスカート、カナード、大型リヤウイング、リヤディフューザーなどによるトラクション向上により走行性能が高められている点です。
軽量カーボンボンネットフードが備わり、軽量化に寄与しているほか、足元はワイドトレッド化され、235/50R18のタイヤに、空力向上を果たした専用ホイールが組み合わされています。
さらに、マルチヘッドランプが追加され、夜間での視認性向上も盛り込まれています。
TGRは、2012年からWEC、ル・マンへの参戦を通じてハイブリッドシステムを鍛えてきました。耐久レースから得られたノウハウは、トヨタのハイブリッドの代名詞であるプリウスなどの市販車に活かされてきました。
今後もモータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」の取り組みを通じて、持続可能なモビリティ社会の実現に向けた技術開発を続けていく構えです。
今回の「Japan. Endless Discovery.」は、1991年のル・マンにおいて、日本車として初の総合優勝を果たしたマツダと、現在日本の自動車メーカーとして唯一ル・マンに参戦し、5連覇中のTGRが、JNTOの呼びかけによって共同出展されるものです。
同展示では、日本の自動車メーカーがル・マンをはじめとするモータースポーツシーンで育ててきた技術を振り返りながら、カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向け、電動化や水素エネルギー、カーボンニュートラル燃料の活用など、選択肢を広げる挑戦について紹介されています。
また、日本の象徴的な文化としてフランスでも人気が高い「MANGA」を通して、日本の風景や文化、トヨタやマツダのル・マンでの歴史を伝えるために描かれたブース壁面の装飾は、モータースポーツを舞台とした漫画「capeta」で人気の漫画家である曽田正人氏が手がけています。
同氏は、「物心ついたころからレースファンの自分にとって毎年6月は特別です。これまでの名シーンを思い返し、ペンにリスペクトを込めて作画する時間は楽しいものでした。
偉大なル・マン24時間レース100周年、日本のメーカーとして初めてル・マンで優勝されたマツダ、ル・マンをはじめ、様々なモータースポーツで勝利され世界に貢献されているTGR、そして我々に感動を与えてくれるレーシングドライバーの皆さんに感謝いっぱいです。
日本のものづくりと諦めずにチャレンジする姿勢には、とくに漫画家になってから大いに学ばせていただいています。カーボンニュートラル社会の実現、未来への新たな挑戦。この過酷なレースからきっと世界が開けると信じています。今年も全力で応援します」とコメントしています。
(塚田 勝弘)