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■ミツオカの超ロングセラーモデル「ビュート」が30周年を迎える
●初代ビュートは2代目マーチベースで1993年に登場
富山県に本拠を置き、日本で10番目の自動車メーカーとして知られる光岡自動車。そのミツオカ・ブランドのロングセラーモデルであるミツオカ・ビュートが、2023年1月20日に30周年を迎えました。
ビュートの登場は1993年のこと。2代目となる日産マーチ(K11型)をベースに、英国車をイメージし、ジャガー・マークIIをモチーフにしたコンパクトカーとして生まれた一台でした。
登場と同時に大ヒットとなった、この英国車風コンパクトは、光岡自動車のその後の乗用車開発への大きな原動力となったと言われています。
このビュート、初代モデルではベース車と同じく、2ドアおよび4ドアセダン、そして3ドアおよび5ドアハッチバックというモデルバリエーションを持ち、さらにコンバーチブル・モデルもラインナップに加わり、ミツオカ・ブランドの車種の中でも非常にバリエーションの多い車両となりました。
ちなみにエンジンは1Lと1.3 Lの2機種が用意されました。
●2代目ビュートはK12型マーチへ移行とともに2005年に誕生
2代目ビュートは、ベースとなるマーチがK12型に移行したのに伴い、2005年に登場しました。ベースのマーチが一気に丸っこく進化しましたが、それもうまく昇華し、ビュートらしさは変わらず。丸いルーフラインが、よりビュートらしさにもつながるモデル進化だったと個人的には感じています。
このモデルから、ベースの2ドアモデルは廃止されたため、4ドア・セダンモデルのみとなりました。エンジンは1.2Lと1.5LのFF車と、e-4WDの1.4Lというバリエーション展開となりました。
●3代目ビュートは2012年に登場、派生の5ドアハッチ「なでしこ」誕生は2015年
3代目のビュートは、2012年の5月に登場しました。ベースのK13型マーチに合わせ、エンジンは1.2Lの1種類のみとなりました。
ボディタイプは4ドアセダンのみですが、2代目ビュートの中古車ベースで設定のあった「ミツオカ・キュート」の実質的な後継機種といえる、5ドアハッチバックモデルの「ビュートなでしこ(こちらは新車ベースのモデルとして)」が2015年に登場しています。
●ベースのマーチが販売終了……ビュートよ、どーする?
3世代にわたって日産のマーチをベースに長らく販売を続けていたビュートですが、2022年8月にそのマーチの国内販売が終了したことで、この30年にわたって生産が続けられてきたビュートの行く末もどうなるのか? マーチとともにモデルライフを終了するのではないか?と一部でささやかれていました。
今回、そのビュート30周年に関する発表が光岡自動車から行われ、ビュートのモデル継続も発表されました。
「多くのお問い合わせをいただいております次期モデルの投入については、年内にお披露目できる予定です」とプレスリリースにある通り、4代目のビュートについては年内には発表がありそうです。
マーチ以外でビュートが継続する、と考えてみると、果たしてベースは、日産の他のコンパクトなのか? それとも他社コンパクトカーなのか? さまざまな可能性が見えてきます。
既存のビュート同様のフェイスを使うのか? それとも最近のミツオカのヒット作のようなアメリカン・テイストも盛り込むのか? 装着パーツや製造面でも新たな変更が見られるのか?
いろいろと気になるところが出てくるものですが、まずはそのモデル継続を素直に喜びたいですね。
(青山 義明)