新型プリウスの発売がスタート。最新のトヨタ・セーフティ・センスを備え、価格帯は275万円~392万円

■先代から燃費を向上。第2世代のTNGAプラットフォームに1.8L・2.0Lを設定

「トヨタ」ブランドのみならず、ハイブリッド車を代表する新型プリウスが、2023年1月10日(火)に発売されました。

ディーラーでは限られた発注枠(発注台数)に対して争奪戦も起きている模様で、販売店によっては抽選あるいはプリウスからの買い替えをする人を優先して商談をスタートさせるケースもあるようです。

トヨタ・プリウス
Z(HEV・2WD)のイメージ。カラーは「エモーショナルレッドⅡ」

このほど発売された新型プリウスは、ハイブリッド仕様のシリーズパラレルハイブリッド車で、プラグインハイブリッド車(PHEV)は、今年3月頃に発売される予定。

新型プリウスが走行した箱根駅伝でも注目度は高く、SNSなどでは「カッコいい」という声も多く寄せられていたようです。

トヨタ・プリウス
新型プリウスのサイドビュー

プラットフォームは、熟成を重ねた「TNGA」で、新型プリウスのエモーショナルなデザインや走りを実現するため、改良された第2世代になり、低重心化や大径タイヤの採用を実現。

さらに、最新のE-Fourが設定されたのも朗報です。高出力モーターの採用などにより、雪道をはじめとする低μ路での登坂性能や旋回時の安定性がさらに向上したそう。

●低重心でスタイリッシュなモノフォルムシルエット

トヨタ・プリウス
Z(HEV・2WD)のエクステリア。カラーは「アティチュードブラックマイカ」

新型プリウスの外観は、同モデルらしさを印象づける「モノフォルムシルエット」を引き継ぎつつ、低重心でスタイリッシュなプロポーションが目を惹きます。

トヨタ・プリウス
Z(HEV・2WD)のリヤビュー

シンプルかつ抑揚の効いた面の構成や、長く愛されるべく、「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」を表現したそう。

トヨタ・プリウス
新型プリウスのインパネ

一方のインテリアは、「アイランドアーキテクチャー」コンセプトを掲げ、圧迫感のない広々とした空間と運転に集中できるコクピットを両立。直感的な操作が可能だそうで、走りが楽しめるキャビンになっています。

設定されるボディカラーは全8色。スポーティな印象を与えるソリッドカラーベースの「アッシュ」と「マスタード」の2色が新規設定色となっています。

●最新世代の「第5世代ハイブリッドシステム」を搭載

プリウス最大の特徴である燃費性能も向上。2.0L、1.8Lモデルともに、最新の「第5世代ハイブリッドシステム」が搭載されています。

トヨタ・プリウス
新型プリウスのキャビン

2.0Lモデル(Zグレード、Gグレード)は、先代(プリウス A“ツーリングセレクション”の1.8L HEV・2WD、17インチタイヤ装着)のWLTCモード燃費27.2km/Lを上回る28.6km/Lを達成(28.6km/LはZグレードの2.0L HEV・2WD、19インチタイヤ装着)。一方で、システム最高出力は従来型比1.6倍となる144kW(196PS)を実現。

トヨタ・プリウス
2.0Lハイブリッドシステム

プリウスが誇る環境性能をブラッシュアップするとともに、ハイレスポンスによる爽快な走りが得られるそう。

1.8Lモデル(Uグレード、Xグレード)は、改良を重ねた上で、すべての電動モジュールが刷新され、32.6km/L(Uグレード、1.8L HEV・2WD、17インチタイヤ装着)という低燃費を達成。

トヨタ・プリウス
1.8Lハイブリッドシステム

同時に、走りにも磨きがかけられ、ハイブリッドならではのシームレスな加速に加えて、軽やかな発進性、ダイレクトな駆動力レスポンスを実現したとしています。

●トヨタ・ブランド初採用の先進安全装備を採用

充実した最新の安全装備も見どころ。最新の予防安全パッケージ「トヨタ・セーフティ・センス」が標準化され、先進安全システムの検知対象も拡大されています。

トヨタ・プリウス
新型プリウスのコクピット

注目の装備はトヨタ・ブランド初採用となる「後方車両接近告知」で、ブラインドスポットモニターの後方ミリ波レーダーで後続車を検知し、接近した場合には、マルチインフォメーションディスプレイやブザーで知らせてくれます。

トヨタ・プリウス
デジタルインナーミラーのデジタルミラーモード

周辺車両接近時サポート(録画機能・通報提案機能)もトヨタ・ブランドで初採用になります。

後方車両が非常に接近した場合、システムからドライバーに対して、警察もしくはヘルプネットへの接続を提案。また、ドライブレコーダーを装着すると、状況が自動録画されるほか、専用の記録領域にデータが保存されるため、上書きされにくくなります。

さらに、セカンダリーコリジョンブレーキ(停車中後突対応)もトヨタ・ブランド初採用です。

自車が停車中、ブライドスポットモニターの後側方ミリ波レーダーで後方車両を検知。追突される可能性が非常に高いとシステムが判断すると、自車のブレーキを作動させることで、その後に追突された際の自車の速度を減速。従来に比べて、衝突前からブレーキを作動することで、より早期での減速が可能になります。

トヨタ・プリウス
新型プリウスのラゲッジスペース

また、トヨタとKINTOによる新たなサブスクリプションサービス「KINTO Unlimited」の受付も1月10日から開始されています。

第1弾として、新型プリウスに「U」グレードが設定され、提供方法が同サービスに一本化されています。

トヨタ・プリウス
ドアオープンスイッチ(リヤドアハンドル)

「KINTO Unlimited」では、保険や税金などの諸経費を月額利用料に含めるKINTOのこれまでのサブスクのサービスに、新たにトヨタの技術を駆使し、「ソフトウェアとハードウェアの進化=アップグレード」と、運転データを活用したクルマと人、双方の「見守り=コネクティッド」という2つの価値を追加。

トヨタ・プリウス
Bi-Beam LEDヘッドランプのイメージ

これらの付加価値によりクルマの価値を維持し、その分を月額利用料の引き下げにあらかじめ充当することで、月額1万6610円(税込)〜という新たな提案になっています。

なお、「Z」「G」グレードは、KINTOの従来のサブスク・サービスで利用できます。

●価格
「X(1.8L)」:275万円(FF)、297万円(E-Four)
「G(2.0L)」:320万円(FF)、342万円(E-Four)
「Z(2.0L)」:370万円(FF)、392万円(E-Four)

●参考車両価格(KINTO Unlimitedのみ)
「U(1.8L)」:299万円(FF)、321万円(E-Four)

(塚田 勝弘)

【関連リンク】

KINTOの各サービス
https://kinto-jp.com/lp/prius/

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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