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「自動車競争」もやはり「人と人が競うスポーツ」〜両角岳彦のデータと観察で“読み解く”自動車競争【スーパーフォーミュラ2022年第9&10戦・鈴鹿サーキット】 | SF2022rd9 Lap1-Turn2 | 2枚目の写真(全16枚)
チーム、とりわけ小池トラック・エンジニアとの共同作業が速さと戦略に結びつき、31周をきっちりと走り切った15笹原がゴールラインを駆け抜ける
第9戦スタート直後、鈴鹿の2コーナーを重なり合うようにして走り抜けるスーパーフォーミュラの群れ
2022年第9戦を終えて…表彰台に立つ、左から2位でチャンピオンを確定した野尻智紀、このレースに勝利した笹原右京、その2人の1−2フィニッシュとともにチームタイトルを獲得したチーム無限の田中洋克監督、チーム郷の車両仕上げと戦略を背景に3位を手にした佐藤蓮
戴冠を目前にしたプレッシャーの中、第9戦に向けた予選でトップタイムを刻んで戻ってきた野尻
第9戦スタート直後。1野尻はすんなり先頭に立つが、グリッドでその右斜め後にいた37宮田は発信直後の蹴り出しが鈍く、その左(写真では右)から65大湯、15笹原が並びかけてくる
序盤から快調なペースを保って走り切り、今季2勝目を挙げた15笹原右京
翌日からの最終2連戦を目前にした金曜日、取材者と恒例のミーティングに出席した、左からサッシャ・フェネストラズ(と通訳のソニアさん)、野尻智紀、平川亮。それぞれに「チャンピオン・プレッシャー」を受け止めている堅い表情と慎重な口調が印象的だった
プレッシャーから解放された野尻が最終戦の予選へと”出撃”してゆく。その直後にはこの1年をチームメイトとして共闘した笹原が続く
第10戦ではスタート直後にアクシデント発生、2周目からセーフティカー先導の走行に。この時の隊列は、1野尻-6大津-15笹原-37宮田…
前日の第9戦を終えてシリーズポイント同点となった4フェネストラズと20平川。この日は31周の決勝レースの間ずっと4位を競う接近戦を展開、最終的にフェネストラズがシリーズ2位、平川が同3位
大団円。2022年のスーパーフォーミュラ、全ての競技を終えた夕暮れの鈴鹿。観客もコースに入って「チャンピオン」を讃えた
第9戦で最終的に10位までに入った各車の決勝レース31周のラップタイム推移。序盤はポールポジションからスタートした野尻、同じチームで車両セッティングの情報・解析を共有する笹原の二人が後続を引き離すペースで走っている。とくに笹原は10周完了・規則最短でのタイヤ交換を決めたところで先行する野尻を上回るペースに。そのピットストップ直前の周回ではオーバーテイクシステムも使ってラップタイムを切り詰め、さらに交換したタイヤが暖まった12周目には新品タイヤの「一撃」グリップを引き出して自身のレース中最速ラップで走り、野尻に対するアンダーカットに成功した。一方、チャンピオン確定を最優先する野尻はリスクを抑え、11周で交換したタイヤをレース終盤まで温存し、最終的に順位争いの対象となった宮田が終盤のタイヤ交換で一気にペースを上げてくるのに対しても余裕を残していた。逆に例えば関口などはタイヤ交換後の「一撃」グリップによる速いラップは出したもののそこから3~4周でみるみるペースが落ちている。タイヤ交換を後半まで引っ張った中で佐藤、宮田、平川までは全体として速いペースを保っている
第9戦で優勝した15笹原が各周回で計時ラインを通過した瞬間に対して各車がどのくらいの差で走っていたか、レース31周を追ってみた「ギャプチャート」。毎周の各車間隔と同時に上下の位置関係がその周の順位を示している。笹原は規則上最短の10周完了でタイヤ交換のためのピットストップを敢行したので、ここで他の車両のラインが大きく変動。同時にピットに入った4車の線は下に広がっていくが、タイヤ交換をそれより後にした各車の線は一気に上に。しかしこの先でピットストップすると鈴鹿サーキットの場合、最小でも35~36秒を“消費”する。それぞれの車両がピットストップする周回は本コースから分岐してピットロード入口の計時ラインまで走る分、そして次の周回は残りのピットロードを60km/hで走った分とタイヤ交換の停止時間を加えた分、コースを走る車両に対してタイムを失う=グラフの線が下に向かう。終盤のタイヤ交換を選択して走り続けた宮田、平川は、コース上ではいったん先頭に出ているが、じつはピットロスタイム分の35~36秒後方にいる車両がその時の順位争いの対象になる。しかも宮田はタイヤ交換に手間取ったことでさらに7~8秒下に沈んでしまった。やや早め、20周目のタイヤ交換を選択した佐藤は後半のペースが良く、もっと前、さらに後のタイミングを選択した面々の間を縫ってうまく順位を上げている。このあたりはチームの車両状態把握と戦略判断の成果と言えるだろう
今季最終・第10戦で他を圧して優勝した野尻が各周毎に計時ラインを通過した瞬間を基準に、他の21車(福住は1周完了できずリタイヤ)の時間差をプロットしたグラフ。「ギャップチャート」とも言う。2度のセーフティカー(SC)先導走行中は各車の間隔がほぼ一定に維持される。規則上最短の10周完了で展開を変えることを狙ってピットストップを選んだのは笹原、三宅、山本など9車。次の11周完了では大津、坪井が。ここではまだコースに留まっていた野尻に対して一気に時間差が開き、線が下に大きく広がっている。その野尻は12周目にシケイン入口で起きたアレジと松下の接触~クラッシュ(松下はここでリタイヤしたので計時された周回は11周目まで。線がここで途切れている)でSC導入となるのに合わせて13周完了でピットに向かい、ここでコース上を走っていた各車の線が一気に上に向かう(野尻との時間差が詰まる)。笹原のラインが12周目で下に落ちていくのは、お互いにピットアウトして接近戦になっていた坪井とシケインで接触、フロントウィングを傷めてそこからすぐ再度ピットに入ったため。2度目のSC先導走行が終わった後、野尻はスッと差を広げるが、その後方では各車の線が接近したり交差したりしているところが数多く現れている。これは言うまでもなく「接近戦」が演じられていたことを示すもの
第10戦の決勝で10位までに入った各車の、31周それぞれのラップタイム推移。このレースではスタート直後と13~17周目の2回、アクシデント~クラッシュの処理のためにセーフティカー(SC)が導入され、その間は周回ペースが極端に遅くなるので、各車のグラフ線が表示欄外まで落ちている。2度目のSC導入に合わせて13周完了のタイミングで野尻、宮田、フェネストラズ、平川…など7車がピットイン、タイヤ交換。それを挟んでレースの前半、後半のどちらでも野尻が圧倒的に速いラップタイムを刻んで走ったことがこのグラフにも明らかに現れている。これが今シーズン、野尻と彼のチームが作り上げてきたライバルたち全てに対する「速さ」と「強さ」のアドバンテージ、と見て良いだろう。タイヤがフレッシュな状態で得られる高いグリップもちゃんとラップタイムに現れているが、野尻のドライビングはそこで一気に「タイヤを使う」ことなく、そのタイヤを使って走る残り周回でもペースの落ちが他よりもずっと少ない。180kmほどのレース中盤~後半でそれなりに速いペースを維持できている車両+ドライバーは7、8車。すなわち参加21車の1/3ほど。車両もタイヤもワンメイクで、1周のタイムを競うと1秒あまりの中にほとんどの車両が入るほどシビアな状況が繰り広げられるスーパーフォーミュラだが、「競争」のための速さと強さとなると、やはり明確な差が現れるのではあります
チャンピオン決定を目前にした第9戦に向けて、金曜日のフリー走行で野尻のマシンは思うような速さを見せなかった。この時期の鈴鹿を想定した”持ち込み”セッティングが適合しなかった、ということになるけれども、金曜日は風向きがストレート区間で向かい風、S字やデグナーの主要コーナー区間で追い風(ダウンフォースが減る)。土日はこれが逆向きになり、セッティング修正と合わせて野尻のコーナー区間の速さが復活する
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