TEAM TOYOTIRES DRIFTが20インチタイヤ投入。川畑選手は決勝進出ならずも絶好調?【D1GP EBISU DRIFT】

■第5戦で川畑選手が3位入賞

表彰式の川畑選手
川畑選手はD1GP第5戦で3位に入賞しました

8月20日(土)、21日(日)、福島県・エビスサーキットで開催されたD1GP第4戦と第5戦。

TEAM TOYOTIRES DRIFTの藤野選手は、上位進出はなりませんでしたが2戦連続ポイント獲得。川畑選手は調子を上げて第5戦で3位入賞を果たしました。今回は20インチのニュータイヤR888RDが投入され、強力な武器となりました。

●20インチのR888RDを投入

R888RDの20インチ
こちらが、このラウンドから投入された20インチのR888RDです

今季投入された藤野選手と川畑選手のGR86は、扱いやすさではすでに文句なしの仕上がりになっていましたが、突出した強みがないという面もありました。

しかし、このラウンドから強力な武器が投入されました。20インチのハイグリップタイヤR888RDです。

今季からD1GPでは使えるタイヤが『E117-2 規格{S2WR2}の刻印がされているもの』または、『ローリングレジスタンス(転がり抵抗)が E117-2 規格{S2WR2}と同等のもので、事前に登録したもの』に限定されましたが、新たにこのR888RDの20インチが認可を受けたのです。

実は、高いグリップ力のあるタイヤでもエアボリュームの関係で、大径のものは転がり抵抗を抑えられるのだそうです。

第4戦単走での藤野選手の走り
第4戦単走での藤野選手。グリップが高くて扱いやすいニュータイヤは好感触だったようです。

2台のマシンはこのタイヤの投入に合わせて、事前テストで足まわりのセッティングを行い、しっかり仕上げてきました。

藤野選手によればニュータイヤは「グリップは上がったけど、扱いにくさはなく、むしろ扱いやすいくらい」とのことでした。2人とも練習走行から手応えはよく、土曜日の午前に行われた第4戦の単走では、川畑選手は4位、藤野選手は10位で追走トーナメント進出を決めました。

●川畑選手がオーバースピードでコースアウト

川畑選手コースアウト01
第4戦のベスト16でコースアウトしてしまった川畑選手

第4戦の追走トーナメントでは、川畑選手は秋葉選手と対戦。ちょうど雨が降りはじめ、路面はウエットになってきていましたが、川畑選手は、はたから見ていても「速すぎるのでは!?」と思うほどの速度でコーナーに飛び込むと、曲がりきれずにコースアウト。大きく減点されてしまいます。

「ウエットだったら全体的に遅くなるんですけど、なんかストレートがちょっと乾いてたのもあって、そこがうまくいかなかったですね」とのこと。

しかし、川畑選手はコースアウトしてもたくみなハンドル操作等で大きなダメージを回避。2本目も走行することができましたが、ポイントは挽回はならず敗退。このラウンドは9位で終了しました。

第4戦の藤野選手の追走
藤野選手はベスト8で中村選手に敗れました。

いっぽうの藤野選手は、ベスト8に勝ち上がりましたが、昨年のチャンピオン中村選手に飛び込みから終了まで接近ドリフトを決められ敗退。6位となりました。

●川畑選手、またしてもコースアウトからの活躍!

川畑選手コースアウト02
川畑選手は単走1本目でわずかにはみ出してしまいました

川畑選手のマシンはほぼエアロの修復で済み、2台とも大きな変更はなく翌日の第5戦を迎えました。

まず藤野選手が高得点で単走通過をほぼ確実にしたあと、川畑選手が走行しましたが、1本目、川畑選手はまたしてもオーバースピードではみ出してしまいます。

しかし、競技ドリフトが始まる前の時代、ドリフトはいかに見ているひとを驚かせるかというパフォーマンスでした。その風潮は特に関西では強く、無難に走って成功させるより、オーバースピードで飛び込んでコースアウトするほうが名誉とされていたほどです。

もちろんD1GPでは結果を出さないといけないので、確実に点を取れる走りをするわけですが、このオーバースピードでのコースアウトは、関西出身の川畑選手にとっては、そこまで攻められるコンディションにあったということで、まさに好調の証だったのです。

川畑選手は2本目の走行で、進入速度をやや抑えたいっぽう、見事な振りと安定した姿勢での飛び込みで、その時点で2番手となる高得点を獲得。最終的に4位で単走を通過しました。

●TOYOタイヤユーザーの松山選手に敗北

藤野選手第5戦ベスト8
第5戦ベスト8での藤野選手。走りはよかったのですが、フライングが原因で敗れてしまいました

川畑選手、藤野選手ともにベスト16は勝ち上がりましたが、藤野選手はその際に秋葉選手と接触したため、ステアリング系などにダメージを負い、急いで応急処置をしてベスト8に臨みました。

ルーキーの柳杭田選手に対し、後追いからはしっかり接近し、先行でもいい走りを見せた藤野選手でしたが、なんとスタートでフライングをとられてしまいます。ブーストコントローラーのスイッチがOFFになっていることにスタート直前に気づき、サイドブレーキの手を離してONにした際にクルマが動いてしまったのでした。これによる減点で藤野選手は敗退。最終順位はまたしても6位でした。

いっぽうの川畑選手は、植尾選手の駆動系トラブルでベスト8を勝ち上がり、準決勝では同じくTOYOのR888RD・20インチを履く松山選手と対戦。

川畑選手準決勝
第5戦の準決勝では松山選手とハイスピードバトルを繰り広げた川畑選手でしたが、惜しくも敗れました

この日の松山選手の飛び込みは鬼気迫るもので、1本目後追いの川畑選手も後追いから寄せる場面はありましたが、接近ポイントをあまりとれず、アドバンテージがとれません。2本目は川畑選手に細かいミスが出たこともあってまたしても松山選手がアドバンテージをとり、川畑選手は敗退。この大会は3位に終わりました。

なお、川畑選手に勝った松山選手はこのあと初優勝を決めました。

大会後藤野選手は「タイヤはすごくいいので、戦闘力としてはあると思います。今日ある程度勝ち進んで、最終的にいろんなことを試しながらやりたいなと思ったんですけど、まぁ、次のときじゃないですか」とコメントしています。

藤野選手
マシン製作も行っている藤野選手。まだ足まわりのセッティングやパワー特性など、試したいことはあるそうです

また、好調そうな川畑選手は、「ストレートでもっと、あと1台分ぐらいはくっついた状態でビッタビタで進入したかったんですけど、ちょっとそれが出来なかったミスがいちばん残念なところですね。調子はいいので、今年はこのあともずっと楽しんでやりきります!」と話してくれました。

川畑選手
今回は非常に笑顔が多かった川畑選手。本来のアグレッシブさがもどってきました

D1GP次戦は、10月22日(土)~23日(日)。大分県・オートポリスで開催です。

(文:まめ蔵/写真提供:サンプロス、まめ蔵)

この記事の著者

まめ蔵

まめ蔵 近影
東京都下の農村(現在は住宅地に変わった)で生まれ育ったフリーライター。昭和40年代中盤生まれで『機動戦士ガンダム』、『キャプテン翼』ブームのまっただ中にいた世代にあたる。趣味はランニング、水泳、サッカー観戦。好きな酒はビール(夏場)、日本酒(秋~春)、ワイン(洋食時)など。苦手な食べ物はほとんどなく、ゲテモノ以外はなんでもいける。所有する乗り物は普通乗用車、大型自動二輪車、原付二種バイク、シティサイクル、一輪車。得意ジャンルは、D1(ドリフト)、チューニングパーツ、極端な機械、サッカー、海外の動画、北多摩の文化など。