「ホンダ史上最大空間」を謳う、新型ステップワゴンのインテリアと大きく向上した3列シートの座り心地は?

■幅寄せなどがしやすい見切りのいい視界と安心感を両立

新型ステップワゴンのインパネは、最近のホンダらしいノイズレスなすっきりとした視界が追求されています。

車両感覚がつかみやすいように、ウインドウの稜線を水平基調に揃え、フロントフードまでしっかり見切れるようになっています。ピラーとフードの見え方にこだわり、フロントピラーを70mm手前に引き、交差点で歩行者を発見しやすいように配慮。

ホンダ・ステップワゴン
新型ステップワゴンのエクステリア

ドアミラー近くの三角パッチを廃止し、ドアミラーをドアスキンマウントとして見える範囲が拡大されています。

一方で、サイドウインドウ下端のベルトラインは、現行型がより下側の線を描いているのに対し、高速走行に不安を抱かせないように守られている感じがあるように高めに設定。

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新型ステップワゴンのインパネ

また、水平基調のインパネは、スピーカーなどが運転席や助手席から直接見えないように隠すなど、工夫されています。インパネアッパーは複雑な面をやめたことでガラスへの映り込みを抑制し、安全性にも寄与。

見えて触れる場所に柔らかい素材やステッチを配置し、上質感が演出されています。

なお、内装に使われているスパーダの「プライムスムース」は汚れにくさに貢献し、「エアー」にはファブリックが貼り込まれていて「ファブテクト」により撥水や撥油機能により汚れを防ぐ配慮もされています。

ホンダ・ステップワゴン
新型ステップワゴンのAピラー付近と三角窓の視界

インテリアのスケッチでは、あまり例がないという乗員を乗せたイメージで進められたそう。

乗員が安心して過ごせるように、空間全体を柔らかい素材で包み込み、フロントガラスの下端からサイドガラスの下端まで水平基調になっています。そこに沿うようにソフトパッドを配置。

●2列目キャプテンシートは、ロングスライドと横スライドが可能になり、3列目も座り心地が改善

同時に、どのシートからも外の景色がよく見えるようにして、サイズ以上に広さ感、開放感が得られるようにしたそうです。

また、現行型よりも2列目と3列目の位置を高くし、ヘッドレストの大きさなども工夫することで、抜けのいい前方視界を確保。これらにより、「ホンダ史上最大空間」を謳っています。

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「ホンダ史上最大空間」を謳うキャビン

現行型でライバルに対して弱みであったというシートアレンジでは、2列目(キャプテンシートの場合)のロングスライドと横スライド(中寄せスライド)が可能になったのがトピックス。

ロングスライドは、内スライドが865mm、外に寄せた外スライドが610mm。中寄せスライド(横スライド)は、右が75mm、左が115mmになります。

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新型ステップワゴンの2列目キャプテンシート

これにより、最大で865mmのロングスライドが可能になったほか、ウォークスルーや乗降がよりしやすくなり、さらに、後席を中央前寄りに寄せて、後ろに座る赤ちゃんのお世話がしやすくなるなどのアレンジも可能になっています。

操作は、ホンダで初めて採用された「ワンアクションレバー」を使い、前後左右のスライドが可能に。その下には、オットマンの操作レバーを用意。

ホンダ・ステップワゴン
ホンダ初採用の「ワンアクションレバー」

フロントシートは、フィットやヴェゼルにも採用されている「ボディスタビライジングシート」になり、ロングドライブでも疲れを誘わないシートになったほか、シートの形状や質感にもこだわったそうです。

そして、サードシートは従来どおり左右分割の格納式を踏襲。座面の厚みを20mm増すことで、座り心地にも配慮されています。従来型よりも座り心地が良くなったのは確かで、底付感が減ったのも朗報です。

乗降性では、低床設計に加えて2列目のシートバックにシートベルトを内蔵することで、チャイルドシートを装着したままでも楽に乗降できるようになっています。

そのほかの装備では、3列目までUSB端子が用意されるなど、ドリンクホルダーやポケッテリアも充実しています。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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