■2022年のWRCは新レギュレーション。ハイブリッドマシンでRally1クラスに参戦!
12月6日(月)、TOYOTA GAZOO Racingは2022年のモータースポーツ参戦発表の締めくくりとして、WRC世界ラリー選手権の参戦マシン「GR YARIS Rally1」を日本初公開しました。
トヨタは、2022年のWRCで新たなレギュレーションとなるトップカテゴリーの「Rally1」クラスに参戦します。
すでにお伝えした通り、チーム代表ヤリ-マティ・ラトバラ氏の体制でマニュファクチャラー、ドライバー、コ・ドライバーの3冠を2年連続獲得を掲げての参戦となります。
参戦車両はGRヤリスをベースにハイブリッドシステムを搭載した「GR YARIS Rally1」で、回生ブレーキによる発電も行うことが出来ます。モーターとエンジンを合わせて、一時的に100馬力ものパワーアップをすることもできるとのこと。
お台場メガウェッブの特設コースでは、ラトバラ氏とモリゾウ選手ことトヨタ自動車 豊田章男社長の2名が乗車する「GR YARIS Rally1」がドリフト走行などを披露。
コ・ドライバーとして乗車していたモリゾウ選手は、ご自身がTGRラリーチャレンジに参戦するGRヤリスに乗り換え、ラトバラ氏の乗る「GR YARIS Rally1」と2台でドリフト走行を披露しました。
●GR YARIS Rally1のディテールに迫る!
GR YARIS Rally1の現在わかっている情報は、全長4207mm×全幅1875mm、パワーユニットはG14Bユニットで、タイヤはピレリ。ハイブリッドシステム搭載はRally1車両の義務のようです。またCNF(Carbon neutral fuel)を競技用燃料として使用するとのこと。
トヨタの開発先行車両の特徴である3Dパターンの偽装ラッピングのため、パッと見ではボディーラインがつかみきれません。しかし、ボディ形状はGRヤリスをベースにしていることはよくわかります。
フロントのオーバーフェンダーはフロントスポイラーからつながる面構成で、なおかつサイドにフィンが立っており、強力なダウンフォースを生み出す作りなっています。
リアは大型のリアウィングがかなり目立ちますが、その下のバンパーのスリットにも注目してみましょう。
インタークーラーかラジエターか判別はつきませんが、冷却系統の一部がリアバンパーの部分に装着されていることがわかります。
レギュレーション変更で、2021年までの参戦マシンであるヤリスWRCとはかなりの変化があることは一目瞭然です。
チーム代表のラトバラ氏は新規定車両について「ドライバーにとってはこれまでよりもマシンのコントロールが難しくなるだろうが、より速く豪快になり、テレビ的にも観客的にもよりいいものになる」と説明しました。
また、TOYOTA GAZOO Racingの佐藤恒治プレジデントは「2022年からRally1ということで、今年2021年にトリプルタイトルを獲ったとはいえ、また新しい挑戦が始まるわけです。とくにハイブリッドということなので、WEC世界耐久選手権で我々がやってきたことが活きるんじゃないかと思っています」と語ります。
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationとしてWRCに参戦する勝田貴元選手も、このGR YARIS Rally1でフル参戦します。
2022WRCの最終戦に組み込まれているラリージャパン2022では、このGR YARIS Rally1の雄姿を見ることがで見るでしょう。
(写真・文:松永 和浩)