■C-HRよりも広さと開放感がある後席は、前席よりも10mmヒップポイントを高めている
トヨタのCセグメント級SUVは、スタイリッシュなエクステリアが魅力のクロスオーバーSUVであるC-HRが販売を支えてきました。
ドレスアップしているC-HRを見かけることが多く、ユーザーのデザインの満足度は高そうです。一方で、後席の着座位置が低く、とくにリヤシートの前方視界や開放感はもう一歩という印象を受けます。
同じプラットフォームを使ったトヨタ・カローラクロスは、2021年11月7日時点で約5万台もの受注を獲得しているそう。この受注台数は、2021年1月〜6月まで約12万台を登録したトヨタ・ヤリスと比べてみてもいかに凄い数字なのかが分かります。
人気の理由は大人4人がゆったり座れるパッケージングにありそうです。後席の着座位置(ヒップポイント)を前席よりも10mm高めることで、広さ感、開放感が高まっています。
なお、身長171cmの筆者がドライビングポジションを決めた後方(後席)には、膝前にこぶしが縦に2つくらい、頭上に1つくらいの余裕が残ります。
もちろん、前席座面下への足入れ性も確保されています。C-HRも空間やシートサイズは小さくありませんが、低い位置に座らせるため狭く感じた方もいるでしょう。カローラクロスでは、エクステリアデザインの違いからSUVらしい後席空間になっています。
ほぼ水平なルーフラインを描く比較的スクエアなエクステリアデザインは、C-HRとの差別化を明確に図るだけでなく、居住性にも効いているわけです。さらに、カローラクロスのパッケージング面、エクステリアデザインによる効果は、ラゲッジスペースの広さにもつながっています。
開口部が大きなラゲッジスペースは、最大で487Lを確保(2WDは、439L-487L)。「E-Four」4WDは、リヤサスペンションの形式も異なり、407Lと若干容量は減るものの、それでもクラストップレベルの容量を確保。
また、地上開口高を720mmに抑えることで、大きな荷物や重い物の出し入れがしやすくなっています。ほかにも、テールゲートに電動スイッチを用意。テールゲートを単に閉めるスイッチ(左)と、テールゲートを閉めてさらにロックをする2つのスイッチ(右)が備わります。
なお、リヤシートは6:4分割可倒式で、2段階のリクライニングも備わります。後席を前倒しすると、最近のクルマでも珍しいほどの大きな段差が残ります。
しかし、トヨタ純正用品の「ラゲージアクティブボックス」をチョイスすれば、フタを閉じることで荷室床面をフラットにできます。車中泊も考えているアウトドア派や、大きな荷物を積むことが多いならぜひ欲しいアクセサリーです。
さらに、こちらはデッキボードを上段と下段に分けて収納できる優れモノ。さらに、リバーシブルになっていて、裏面にすれば撥水性のある樹脂製が表になり、汚れたり濡れたりした荷物を躊躇なく積載できます。価格は2万8050円です。
(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)