■138台のアルピナ中古車の中には劇レアなV8ロードスターも流通!
アルピナは「BMWのチューニングカーでしょう」という声を良く聞きます。
アルピナを生産するアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社は、Mモデルなどを手がけるM社とは異なり、完全に独立資本の自動車メーカーとして50年の歴史を重ねています。
アルピナはBMW車をベースに、アルピナ独自のエンジニアリングを施したハイエンドモデルを毎年1200〜1700台生産しています。
Mモデルが年間数万台単位販売されていることを考えると、規模の小さいことがわかります。
なぜ、アルピナは大量生産できないのか。
それはインテリアの様々なパーツがハンドメイドで製造されていることと、Less is moreというアルピナの方針があるから。また様々な選択肢から、ユーザーがカスタマイズの楽しみを味わえるカスタムメイドという手法を採用しているからです。
つまりアルピナは、高い走行パフォーマンスを秘めたラグジュアリーモデルを職人たちが製造する自動車メーカーなのです。
そのアルピナは2019年に開催された第46回東京モーターショーで、主力モデルであるアルピナB3リムジン Allradを世界初公開しました。それほど日本市場を重要視していることがわかります。
また、このアルピナB3リムジンは日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021において、パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。現在では納車まで1年掛かるほどの人気となっています。
現在、アルピナの新車価格はD3SリムジンALLRADの1078万円から、9月に発表されたばかりのB8グランクーペALLRAD右ハンドル車の2602万円となっています。
優れたエンジン性能とラグジュアリーな装備を考えれば、決して高いとは言えません。しかし、なかなか手は出せないです。
そこで、ここでは比較的手の届きやすいアルピナの中古車事情について紹介しましょう。
●アルピナの流通台数は、トータル138台のみ
現在アルピナの中古車は大手中古車検索サイトで調べると、約138台しか流通していません。価格帯はB3の約158万〜ロードスターV8の約3450万円となっています。
アルピナの中古車をモデル別の流通台数を見てみると、3シリーズセダンをベースとしたB3リムジンが約24台で最も多く、5シリーズセダンベースのD5リムジンが約17台。そして7シリーズベースのB7が約16台となっています。
中古車の流通台数が最も多いB3では、2013年〜2019年式の旧型モデルが約9台流通していて、平均価格は約523.3万円。価格帯は約438万〜約730万円です。
2007年〜2013年の旧々モデルは約6台流通していて、平均価格は352.3万円。価格帯は約278万〜約418万円です。1999年〜2005年に販売されたB3も約6台流通していて、平均価格は約212万円。価格帯は約158万〜約498万円。
さらに年式の進んだ1993年〜1999年のモデルは、MT車が3台流通しているものの、価格は498万円からと高くなっているのが特徴です。
続いて流通台数の多いD5は、2017年から販売されている現行モデルの中古車は1台しか流通しておらず、価格は約799万円。2012年〜2017年に販売された旧型モデルの中古車は約16台流通していて、平均価格は456.5万円。価格帯は約229万〜約598万円となっています。
そしてフラッグシップセダンのB7では、2016年から販売されている現行モデルの中古車は約5台流通していて、平均価格は約1926万円。価格帯は約1390万〜約2350万円と高水準をキープしています。
2009年〜2016年まで販売された旧型モデルの中古車は約6台流通していて、平均価格は約474.2万円。価格帯は約398万〜約750万円とかなり割安感がでてきます。そして、2004年〜2009年まで販売されたB7の中古車は約5台流通していて、平均価格は約360.9万円。中古車の価格帯は約280万〜約400万円と下げ止まり感が出ています。
アルピナは職人が手がけた精密な機械時計のようなクルマです。年式が進んでもしっかりとメンテナンスを行えば、本来の高いパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。アルピナの中古車を購入する際には、予算にある程度余裕を持って購入することをおススメします。
(文:萩原文博/写真:ニコルオートモビルズ/萩原 文博)