ベストセラーハイブリッドカーの初代アクアは、100万円以下で運転支援機能搭載車を手に入るのが正解

流通台数が豊富な特別仕様車の1.5Sスタイルブックが狙い目!

2021年7月19日、ハイブリッドカーを身近なものにしたトヨタ・アクアが、約10年振りにフルモデルチェンジを行い、2代目へと進化しました。新型アクアは「さらに次の10年を見据えたコンパクトカー」として、高い環境性能と安全性能を両立したハイブリッドコンパクトへと進化しています。

アクア外観01
新型アクアのフロントスタイル。

新型アクアに搭載されている1.5Lダイナミックフォースエンジン+モーターを組み合わせたハイブリッドシステムには、駆動用車載電池として、「バイポーラ型ニッケル水素電池」を初採用。その結果、電気だけでの走行可能速度域を拡大しただけでなく、WLTCモード35.8km/Lという優れた燃費性能を実現。

さらに、AC100V・1500Wのアクセサリーコンセントや停電していてもクルマから電気が取り出せる非常時給電モードを全車標準装備するなど、ハイブリッド車ならではの装備が充実しています。

新型アクアが登場したことで、ベストセラーカーの初代アクアの中古車相場はどのようになっているのでしょうか。初代アクアの最新の中古車事情を紹介します。

アクア外観03
初代アクア前期型のフロントスタイル。
アクア外観04
初代アクア前期型のリアスタイル。

2011年12月に販売開始された初代アクアは、5ナンバーサイズのボディに、2代目プリウスに搭載されていた1.5L直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド専用車です。

搭載するハイブリッドシステムは、JC08モード燃費は35.4km/Lという優れた燃費性能を発揮。その後も燃費性能は向上を続け、最終的には38.0km/L(Lグレード)まで延びました。

アクア内装02
初代アクアのハイブリッドシステム。
アクア内装01
初代アクア前期型のインストルメントパネル。

また、初代アクアは2011年の登場以来、改良が重ねられ、進化しています。

最初の大きな変更は2014年12月の一度目のマイナーチェンジです。内外装の変更に加えて、SUVテイストを加えたX-アーバンというグレードを設定しました。さらに、走行性能を向上させるため、ボディの一部にスポット溶接の打点を増やしてボディの高剛性化。同時にサスペンションの見直しも行われています。

アクアX-アーバンのフロントスタイル。
アクア外観07
運転支援システム「トヨタセーフティセンス」のカメラ。

そして、2015年11月の一部改良は注目のポイントです。

このタイミングでレーザーレーダーと単眼カメラという2つのセンサーを組み合わせた衝突回避支援パッケージのトヨタセーフティセンスCを搭載しました。

衝突被害軽減ブレーキはじめとした4つの運転支援機能が装備され安全性を向上させています。

アクア外観05
初代アクア後期型クロスオーバーのフロントスタイル。

2017年6月には2度目のマイナーチェンジを実施します。内外装の変更とともに、前回のマイナーチェンジで設定されたX-アーバンは廃止され、ブリスターフェンダーを採用し、アクア初となる3ナンバーボディの「クロスオーバー」というグレードを追加しました。

そして2018年4月の一部改良では衝突回避支援パッケージのトヨタセーフティセンスの一つであるプリクラッシュセーフティに昼間の歩行者が認識できるように性能を向上。それと同時に名称をトヨタセーフティセンスに変更されています。

また、ペダルを踏み間違えた時に急発進を抑制するインテリジェントクリアランスソナーがオプション設定され、安全性を向上させました。

アクア外観06
初代アクア後期型クロスオーバーのリアスタイル。

さらに2018年12月には大量の保有されているアクア向けに後付けできる踏み間違い抑制システムの発売。2019年7月の一部改良では、駐車時に車両周辺の状況をナビゲーション画面で確認できるパノラミックビューモニターを新たに設定しました。

また、オート電動格納式リモコンカラードドアミラーには、車両後退時に助手席側の鏡面が自動で下向きになり駐車ラインなどの確認しやすくなるリバース連動機能で採用安全性を向上させる一部改良が行われています。

アクア内装03
初代アクア後期型のインストルメントパネル。

新車販売台数No.1に何度も輝いたベストセラーカーの初代アクアですが、現在中古車の流通台数は約6700台流通しています。3カ月前は約7700台だったので、新型登場を挟んだ3カ月で約1000台減少しています。

中古車の平均価格は現在約82.8万円で、3カ月前は86.5万円だったので約4万円の値落ちとなっています。初代アクアの中古車の価格帯は約16万~約238万円と非常に幅広く、そのうち100万円以下のクルマは約4450台。

50万円以下でも約1230台と燃費性能に優れたハイブリッドカーを割安な価格で手に入れることができます。

アクア内装04
初代アクア後期型のフロントシート。
アクア内装05
初代アクア後期型のリアシート。

ただし流通台数が豊富なアクアの中古車ですが、これからのパートナーとして手に入れるのであれば、2015年11月の一部改良で採用された「トヨタセーフティセンス」という運転支援システム付きのクルマを選んだほうが良いでしょう。

さらにペダルの踏み間違いによる急発進を抑制してくれるインテリジェントクリアランスソナーが未装着の場合は、ぜひ装着して、アップデートすることをオススメします。

アクア外観08
クロスオーバーに装着されるタイヤサイズは185/60R16。

トヨタセーフティセンス装着を条件に再検索すると約1325台がヒット。価格帯はそれでも約60万~約231万円と100万円以下でも十分手に入ります。

オススメのグレードは、上級グレードの1.5Gや、特別仕様車でも流通台数が約500台と豊富な1.5Sスタイルブックがオススメです。SUVテイストのクロスオーバーはまだ100万円以下の中古車が少ないので、もう少し動きを見たほうがいいかもしれません。

一般的に中古車は走行距離が少ない方が高品質車と言われることが多いです。しかしアクアのようなハイブリッド車はシステムバッテリを搭載しているので、年式が進んでいる割に走行距離が少ない中古車は放電している可能性がありますので、選ぶ時には注意したいポイントです。

(文:萩原文博 写真:トヨタ自動車/萩原文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
続きを見る
閉じる