■日本では役目を終えたようにも思えるプリウス。アメリカでどんな風に進化する?
●ミステリアス・プリウス?
トヨタのアメリカ法人が、『Icons Always Do the Unexpected(象徴はいつも予想できないことをする)』という一文と同時に、ミステリアスな動画を公開しています。
わずか8秒、トヨタのエンブレムを中心にチラリとリアビューを見せるだけの動画ですが、その正体のヒントはファイル名にありました。
動画のファイル名は「MY22_PRIUS_NIGHTSHADE_TOYOTA_BADGE_4K」となっているのです。
MY22というのは2022年モデルという意味です。慣例的に、アメリカ市場では前年の半ばをすぎると翌年のモデルイヤーで呼ばれますから、早ければ2021年の夏過ぎにモデルチェンジをしたプリウスが、アメリカで登場するというわけです。
このティザー動画の追加情報は6月2日に公開されるということですが、この動画から確認できるのは、プリウスのスタイリングにおける特徴であるサブウインドウは健在であろうということです。「いつも予想できないことをする」という宣言とは裏腹に、プリウスらしさを維持したモデルチェンジとなる模様です。
このあたりアメリカはじめグローバルにはプリウスという商品が、トヨタが電動化において先行していたことを示すアイコンとして認識されていることも考慮しているのでしょう。電動化がかまびすしい昨今ですが、トヨタは広義の電動化においてパイオニアであり、トップランナーであることをプリウスのモデルチェンジによって、より強くブランディングしようという意思が感じられます。
それはともかく、アメリカでティザーをはじめたプリウスですが、日本では話題になることも減っているようです。
実際、日本国内での販売ランキングを見ると、かつてトップスリーの常連だったプリウスはトップ10にも顔を出していません。
2021年4月の販売実績は3672台。トヨタ・ノア(3701台)とホンダ・ステップワゴン(3611台)に挟まれ、登録車の通称名別ランキング15位といった具合です。こうした現状を知ると、もはや日本市場では役目を終えたという印象さえ受けるのではないでしょうか。
景況感の影響もあって、軽自動車やコンパクトカーが中心となっている日本市場では3ナンバーであるプリウスを受け入れるユーザーが減っているのかもしれません。また、ハイブリッドが当たり前になりすぎて、ハイブリッド専用モデルの意義がなくなっているのかもしれません。
はたまたSUVムーブメントの中、空気抵抗を少なくするため全高を低めたボディはもう飽きられたという面があるのも否めません。
電動化だけではキャラが立たないというのは、アメリカはじめグローバルでも同様でしょう。はたして次期プリウスはどのように進化するのでしょうか。そう考えると、6月2日の情報公開がますます楽しみになってきます。
【関連リンク】
『Icons Always Do the Unexpected』と題された© 2021 Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc.36 USC 220506のwebサイト
https://pressroom.toyota.com/icons-always-do-the-unexpected/