■FFでもBMWらしさを感じさせるスポーティな走り
2020年8月にBMW 2シリーズ グランクーペに加わった2.0Lクリーンディーゼルエンジン搭載モデルの「BMW 218d Gran Coupe Play Edition Joy+」に試乗する機会がありました。
同モデルはFFのプレミアムコンパクトモデルという位置づけで、全長4535×全幅1800×全高1430mm。幅1.8m以下や1.55m以下の駐車場に入庫できます。2.0Lの直列4気筒DOHCディーゼルターボは、最高出力150PS/4000rpm・最大トルク350Nm/1750rpm-2500rpmを発揮するとともに、WLTCモード燃費17.1km/Lという低燃費も魅力です。
試乗車の「Edition Joy+」は、クリーンエネルギー自動車(電気自動車/プラグインハイブリッド自動車/燃料電池自動車/クリーンディーゼル自動車)に設定される特別仕様車で、充実装備でありながら価格が抑えられているのが特徴です。
車両本体価格は420万円で、試乗車には8万円の有償色「ミネラル・ホワイト」、24万円の「iDriveナビゲーション・パッケージ」、25万円の「ハイライン・パッケージ」、7万円の17インチの「マルチスポーク・スタイリング」など、95万9000円ものオプションが加わり、総額515万9000円という高級コンパクトになっています。
1510kgという車両重量に対して350Nmの分厚いトルクを常用域で発揮するため、どこから踏んでも力強い加速感が得ることができ、ディーゼルエンジンらしさを味わえます。
8ATは適度なダイレクト感があり、スムーズさを兼ね備えた仕上がりで、変速フィールにも不満はありません。ステアフィールは軽く、FFでも軽快な動きを走り出しから高速域まで味わえるのも印象的。高速コーナリングではややアンダーステアも顔を出すものの、操舵に対して遅れを抱かせるようなシーンも少なく、ややアップライトな運転姿勢をのぞけば素直で運転しやすくなっています。
この日は、4シリーズや3シリーズも乗ったため、音や振動はやや大きく感じられたものの、Cセグメントとして考えれば平均的な快適性は担保されています。さらに、後席や荷室の広さという、スペース面での実利を得られるのもうれしいところ。
大人4人が乗っても狭くなく、子どもが2人いるファミリーにちょうどいいCセグメントモデルといえます。
(文:塚田 勝弘/写真:前田 惠介)