■価格を抑えながら飛躍的に性能を向上
2020年4月から11月まで登録車の販売ランキングで1位を続けているトヨタ・ヤリス。GRヤリスは、WRCでの活躍だけでなく、同社のモータースポーツのイメージを牽引する最新モデルでもあります。
2020年12月12日、トヨタカスタマイジン グ&ディベロップメントは、TRDブランドから「YARIS Cup Car(ヤリス カップカー)」を発表し、同日発売されました。
この「YARIS Cup Car」は、2021年から開催予定の「TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup」の参戦車両として開発されたコンプリートカー。これまでトヨタ・ヴィッツ、トヨタ86をベースとしてリリースされている「Racing」シリーズからのコンセプトを受け継ぎながら、レース参戦に必要となるロールケージなどの高コストな装備をリーズナブルにパッケージ化されています。
ロールゲージは、6点式+サイドバーになります。さらに、ユーザーが好みに合わせて変更できるシートやホイールなども廉価仕様の装備に抑制。
また、先代の「Vitz GRSPORT Racing Package」より設定されているCVT車両は、飛躍的なパフォーマンスアップを実現したとしています。開発時のテストでは、2ペダルドライブの強みを活かしMT車にも劣らない走りを確認したそう(同社のテストドライバーによる開発車両走行結果。ラップタイム、走行場所については開発情報につき非公開になっています)。
ほかにも、ベース車のパフォーマンスアップに伴い、CVT、MTの両仕様に最適化されたエンジンオイルクーラーを標準装備され、安定的にレーシングスピードでの周回走行が可能な冷却性能が確保されているそうです。
サスペンションは、シリーズとして初めて、リヤ側に減衰調整機構を設けた専用チューニングサスペンションセットを標準装備(歴代のRacingシリーズを含むワンメイクレース用の同社コンプリート車両中で初採用)。これにより、ドライバビリティを向上させると共に、走行スタイルに合わせたセットアップが可能になったとしています。
さらに、架装メーカーオプションとして「TOYOTA GAZOO Racing Recorder」が設定され、車両情報と走行軌跡を統合記録し、サーキット走行でのタイムアップに活用できます。なお、YARIS Cup Carは専用ベース車両に同社がレース専用装備を架装する完成車両(持込登録)になります。
価格は6MTが217万1100円、CVTが238万100円。なお、北海道地区は6MTが220万800円、CVTが240万9800円です。
(塚田勝弘)