●小さい頃から憧れていた世界へ
新型コロナウイルス感染症の影響で、当初の予定より3ヶ月遅れて7月に開幕を迎えた今シーズンのD1グランプリ。そのドリフト競技の国内トップカテゴリに今シーズンからフル参戦を開始した一人のルーキードライバーがいます。
最近ではe-Sports出身のレーシングドライバーも増えてきていますが、ドリフトラジコン、略してドリラジ出身という異色の経歴をもつ蕎麦切広大(そばきりこうだい)選手にお話を伺いました。
── はじめまして。よろしくお願いします。いきなりですが蕎麦切選手はドリラジ出身なんですよね?
「そうですね、ラジコンは中学生の頃に始めて10年くらいやってます。」
── そこから実際のクルマに乗り始めたのはいつ頃ですか?
「免許自体は18才で取ったんですけど、ドリフトを始めたのは21才、3年前くらいですね。」
── ドリフトを始めたのはラジコンの影響ですか?
「どちらかというと小さい頃からD1が好きで、中学生だとクルマに乗れないっていうことで、いろいろ探したらドリフトのラジコンがあるっていうのを知って、それがきっかけでラジコンを始めました。ドリラジをやりながらも、本物に乗りたいっていうのはずっと思っていて、そこで柴田社長と出会って、まずラジコンのワークスドライバーとして活動させていただきました。」
「そして僕が専門学校を卒業すると同時に『うちに就職して本物のクルマで一緒にやろう!』って柴田社長が言ってくれて、そこからドリフトが始まりました。それが2017年で僕の入社と同じタイミングで会社自体も本格的にドリフト競技に参戦を始めたって感じですね。」
── なるほど。ドリフトからラジコンに入って戻ってきた感じですね。ちなみにラジコンが役に立った事はありますか?
「そうですね。コースの攻略方法を考えたりするのは凄く役に立ってるかなと思います。たとえば今回のエビスみたいに以前と違ったり特殊なレイアウトのコースだと、どのドライバーも走ったことがないので、どういうふうに走ったらいいかっていうイメージを組み立てやすいですね。こういうふうに立ち上がったらこーなってあーなるかなーみたいなのは、コースを上から見るっていう視点があるからこそなのかなと。あとはマシンセッティングも、全部同じではないですけど似てるところもあるので、ラジコンをやっていてそういう知識とかも勉強できたと思います。」
── それでもやはり、本格的にドリフトを始めてから3年でトップカテゴリまでっていうのは凄いと思います
「いやいや、でも本当にここまで来れているのは間違いなく柴田社長はじめ会社の皆さんの協力があってのことです。本当に良いマシンに乗せてもらって万全の体制で参戦させていただいているおかげで、今自分がここにいます。」
── 今回、参戦2戦目で単走ベスト16入り、追走トーナメント進出を掴んだわけですが、それについての率直な感想をお願いします
「とにかく凄く嬉しいです。開幕戦はエンジン不調でリタイヤだったので、今回初めてちゃんと単走予選も走れましたし、それで予選も通ったので、僕の中では本当にまず最初の一歩を踏み出せたのかなと思っています。」
── 追走の相手がいきなり太吾選手だったわけですが?
「ものすごいレジェンドな選手ですし、正直自分が小さい頃からD1を見ていて太吾選手はすごいファンだったので、初めて出られた追走で憧れの選手と当たったっていうのも凄く嬉しかったですし、全力で挑もうと思いました。」
── 実際やる前に、勝てるかなっていう自信はありましたか?
「勝てるかどうかっていうより、やっぱりどの選手であろうと勝ちたいと思っていたので、とにかく自分のできることを精一杯頑張ろう、全力で走りきろうっていう気持ちでいました。」
──これからもその意気で頑張ってください!
「はい!ありがとうございます!これからも予選突破、そして追走に上がっても勝利を1つ1つ獲っていけるように頑張ります!応援よろしくお願いします!」
単走から常に100点を取ることだけを目標に、そのcoolな外見とは裏腹にアツいハートで全開走行を魅せてくれる蕎麦切選手。
ぜひその走りを生の迫力で感じに、サーキットに足を運んでみてはいかがでしょう。
(H@ty)
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https://drift-koudai.com/