目次
■当時の貴重な車両や写真なども展示
かつてトヨタが販売していたスポーツモデルがセリカ。1970年に発売された初代クーペモデルをはじめ、リフトバックやコンバーチブルなどが登場し、スペシャリティカーとして当時の若者から絶大な人気を得たモデルです。
そのセリカの初代リフトバックモデルやWRCラリーカー、北米で活躍したレーシングカーなどが一同に展示されたのが、カーイベントの「オートモビルカウンシル2020」(7月31日(金)〜8月2日(木)・幕張メッセ)。
1960年代生まれの筆者をはじめ、当時を知るおじさん達の熱い眼差しを受けていた歴代名車を紹介しましょう。
●初代リフトバックは1973年生まれ
まずは、リフトバックモデルの初代・セリカLB 2000GT(RA25型)から。
登場したのは1973年。1970年に日本初の本格スペシャリティカーとして登場したクーペモデルをベースとした、ファストバックシルエットの3ドアの2+2クーペです。
その特徴は、リフトバックという名前が示すように、大きなテールゲートを備えていること。リヤシートバックを倒すとカーゴスペースにはサーフボードやキャンプ用具など大型レジャー用品の積載も可能。
アウトドア志向が高まった当時の流行に合わせて、多用途で使えるスポーティ車としてラインアップされました。つまり、今のSUV的な位置付けだったんですね。
搭載するエンジンは水冷直列4気筒で、写真の2000cc版のほかに1600cc版もありました。最高出力は2000ccで145ps、1600ccは115psを発揮。995kg〜1040kgという軽量なボディと相まって、当時としては優れた走行性能を誇っていました。
会場では、ほかにも当時のセリカの広告ポスターや、初代セリカのデッサンスケッチなども展示され、当時を知る筆者などは感涙ものでした!
●WRCで大活躍したラリーカー
一方、こちらは1990年にラリーの最高峰WRC(FIA世界ラリー選手権)で年間5勝を記録したセリカGT-FOURがベースのラリーカー「セリカGT-FOUR ST165型」です。
1986年に登場したセリカ GT-FOURは、リフトバック型に集約してFF化した4代目セリカをベースに、フルタイム4WD仕様としたモデルです。185psを発揮する直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、トヨタはこのモデルからWRCに本格参戦を開始します。
ST165型は1989年に初優勝を飾り、1990年にはレジェンド・ドライバーのカルロス・サインツがドライバーズチャンピオンを獲得。トヨタもマニファクチャラーズタイトル2位に輝くなど、多くの偉業を達成しています。
●北米チャンピオンに輝いたマシン
1987年から、4代目セリカをベースに北米IMSA(インターナショナル・モータースポーツ・アソシエーション)のスポーツカーチャンピオンシップGTOクラスに参戦したマシン」「セリカ ターボ」です。
エンジンは、2.0Lの水冷直列4気筒ターボの4T-GTEUをモディファイし、607psもの最高出力を発揮。このマシンでトヨタは、1987年に全17戦中8勝し、日本メーカーとしてはIMSA史上初のマニファクチャラーズチャンピオンに輝きました(車両は1988年モデル)。
このように、市販車としてはもちろん、数々のレースでも偉業を達成したのがセリカです。
特に、初代のファストバックは、今見てもその流麗なフォルムがかっこいいですね。こんな素敵なモデルが再び登場することを期待したいものです。
(文/写真:平塚直樹)