ヨーロッパ・フォードのトラック「トランジット」にマスタングの10速ATを搭載

■バン(LCV)も10速AT化で燃費。スムーズな変速フィールを入手

ヨーロッパ・フォードが手がける「フォード・トランジット」は、欧州でよく見かけるLCVの1台です。このほどフォードは、ヘビーデューティの後輪駆動用に最新の10速ATを搭載して生産を開始したと発表しました。

エンジンは、170PSを発生する2.0LのEcoBlue(エコ・ブルー)HDTディーゼルが搭載され、効率的な新しいギヤボックスは優れた耐久性、高い性能、2800kgまでの牽引性を備えているそうです。

トランジット
フォード・トランジットの外観

10速ATは、食料品の配達用車両や緊急対応車、トランジットミニバスなどの用途に最適なトランスミッション。フル生産されているというこの新しいRWDトランスミッションは、より経済的で電動化されたパワートレイン、積載量の増加、接続性の強化など、2019年中にトランジットで発売されたアップグレードの主要パッケージをベースに構築されています。

10速ギヤボックスは、既存の6速ATに加えて導入され、より軽量な前輪駆動のトランジットでも使用可能だそう。

フォード マスタング
10速ATが採用されているフォード・マスタング

10速ATは「アダプティブ・シフト・スケジューリング」により絶えず変化する走行状況に対応し、どんな走行シーンでも燃費やスムーズな走行を可能にする最適なギヤが選択されます。

技術面のトピックスは、フォードの特許である「CIDAS(Casting-Integrated Direct Action Solenoid)」。「CIDAS」は、トランスミッションの開発中に特許を取得した20の技術のうちの1つで、クラッチ圧の精度を高め、ストローク時間を短縮することで、より速く、よりスムーズなギヤチェンジを可能とするそう。

フォード
フォードの10速AT

その結果、分厚いトルクをより長時間に渡って路面に伝達し、軽快な運転に貢献。より少ないスロットルで同じ性能を発揮させることができます。さらに、アイドリングストップと連動することで燃費をさらに向上。低速時や停止状態からの加速時には、スムーズな加速を披露するそうです。

フォード トランジット
フォード・トランジットのシフトまわり

耐久性に関しては、数千kmに及ぶ過酷なオフロードレースを含め、開発期間中の600万km以上の耐久性テストで確認したとしています。フォード・トランジットは、シャシーキャブ、ミニバス、バンのボディタイプが用意されています。

6,100kgの余裕のあるGTMは、建設、公共事業、イベント業界などで牽引するオペレーター用途に理想的としています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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