■トヨタが「モビリティで医療従事者支援 ~フード&シェルタープロジェクト~」に資金を一部拠出
筆者は年に2〜3回くらい、キャンピングカーショーを回ったり、取材のためビルダーを訪れたりしています。
関係者から聞こえてくるのは、それまでの富裕層や比較的年齢層が高いユーザー層から、若い人や家族連れ、ペット連れなど非常に多様化している点。軽キャンパーのブームにより、敷居が低くなったのも人気の理由といえそうです。
さらに、東日本大震災などの災害時に注目を浴びることで、キャンピングカーショーを訪れるビギナーも増えるなどの循環もあるようです。
新型コロナウィルスの感染拡大により、キャンピングカーの価値が再び注目されています。医療従事者に提供するため、クラウドファンディングによるキャンピングカーの貸出をはじめ、テレワーク/リモートワーク用として使う人(移動オフィスとして)などもいるそう。
そうしたニーズに応えるレンタカー、キャンピングカーのカーシェアリングなどもあります。
そんな中、フードトラックなどのモビリティビジネス・プラットフォーム「TLUNCH」を展開するMellow、キャンピングカーのシェアリングサービスなどの「バンライフ」のプラットフォーム事業を展開するCarstayが、医療従事者へのサポートの一環としてモビリティによる支援プロジェクトを立ち上げています。
Mellowは、フードトラック事業者を組織化することで、災害時などに円滑にボランティア支援ができるように、2019年9月に「フードトラック駆けつけ隊」を発足。
一方のCarstayは、2020年4月23日にキャンピングカーに特化したカーシェアサービス「バンシェア」を軸に、キャンピングカーのレンタル会社やオーナーと共に、医療機関へキャンピングカーやキャンピングトレーラーなどを無償で貸し出すプロジェクト「バンシェルター」を発足しています。
さらに、「モビリティで医療従事者支援 〜フード&シェルタープロジェクト〜」に協賛するのが、新型コロナウィルス感染者移送車両の提供や医療用フェイスシールドの生産など、新型コロナウィルス対策と支援に積極的なトヨタ。
トヨタファイナンシャルサービス、トヨタのサブスクリプションサービスを運営するKINTOが上記の2社に協賛すると発表しました。
MellowとCarstayの2社は、5月から東京と関東圏の病院にMellowがフードトラックを派遣し、Carstayがキャンピングカーを派遣。新型コロナウイルス感染症の治療にあたる医療従事者向けに、食事と一時休息スペースが無償提供します。
トヨタファイナンシャルサービスとKINTOは、Carstayの医療機関へのキャンピングカーなどの提供にかかる費用、メロウの食材や交通費などを支援。さらに、デンソーも同支援活動に賛同し、キャンピングカー内の除菌、消臭のための「車両用クレベリン」を無償提供します。
同プロジェクトは「困っている人を食の力で助けたい」という気持ちを併せ持つフードトラック事業者を「フードトラック駆けつけ隊」として組織するMellowに加え、キャンピングカーなど車中泊仕様の車両に特化したカーシェアサービス「バンシェア(VAN SHARE)」を提供するCarstayの強みを活かしたものです。
支援候補先は、関東近郊の医療機関(一部軽症者向け隔離ホテルなども想定)で、サービス提供期間は5月初旬から1〜3か月程度を想定。
なお、感染症の拡大、収束の状況を考慮しながら実施予定とされています。
(塚田勝弘)