■月産4万個まで拡大、今後さらに月産約7万個まで拡大予定
国内外の自動車メーカーの生産拠点は、新型コロナウィルスによる需要減などにより生産調整に追い込まれています。中国や欧州、米国、日本でも再開の動きや稼動している生産拠点やラインもありますが、コロナウィルス以前に戻るには、かなりの日数が必要になるかもしれません。
一方で、マスクや医療用フェイスシールド、人工呼吸器のパーツなど、自動車メーカーやサプライヤーによる生産もスタートしています。日本の自動車メーカーや部品メーカーも動き始めています。
以前お伝えしたように、トヨタ自動車とトヨタグループも医療用フェイスシールドの生産など、医療現場などへのサポートを開始しています。トヨタでは、当初500~600個/週だった生産能力を大幅に引き上げ、4月27日からこれまでの約20倍となる月産4万個(約2,000個/日)レベルでの生産を開始したと発表しました。さらに、今後月産約7万個(約3,600個/日)レベルまで生産を拡大する予定としています。
また、グループ会社でもトヨタと同様に生産に着手。ヤリスやアクア、シエンタなどを生産しているトヨタ自動車東日本では、自社生産した医療用フェイスシールドを4月20日に宮城県に3,000個を提供しています。
さらに、豊田合成、ダイハツ工業(グループ含む)、日野自動車でも試作を開始し、ダイハツと日野自動車は、近隣の医療機関への提供を開始しているそう。豊田自動織機でも、4月29日から月産1万個(約500個/日)の生産が予定されているほか、トヨタ車体でも5月中旬の生産開始に向けて検討を進めているそう。
トヨタグループでは、今回の新型コロナウイルス感染症の診断や治療に日夜尽力されている医療現場を支援する取り組みを「ココロハコブプロジェクト」の一環として位置づけているそうです。今後、グループ各社の事業所が所在する地元医療機関や自治体への提供を優先的に取り組んでいくと表明しています。
また、トヨタ自動車東日本の東富士総合センターにおいて開発・架装されたJPN TAXI(ジャパンタクシー)をベースとした、新型コロナウィルス感染者移送用車両も自治体や病院などに提供するなど、医療や自治体の支援を開始しています。
(塚田勝弘)