トヨタコネクティッドとNTTデータがモビリティサービスで業務提携を開始

■「MaaS」などの機能強化とコネクティッドカーの世界展開に向けて協業

トヨタコネクティッドとNTTデータは、2020年4月1日よりモビリティサービス事業領域における業務提携を開始すると発表しました。この提携は、トヨタがグローバルで展開するモビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)のさらなる機能、サービスの拡張、コネクティッドカー展開国拡大に向けて、ソフトウエア開発力、運用体制の拡充を目的として行なわれます。

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トヨタコネクティッドとNTTデータがモビリティサービスで業務提携を開始

「MaaS(Mobility as a Service)や「CASE」といった新たな領域の進展により多様化する自動車業界は、IoT技術を活用した異業種の参入やライドシェア、カーシェアをはじめとする新たなサービスの誕生により、クルマの価値そのものが大きく変化しつつあります。

■「MSPF」の開発と拡大する車両ビッグデータへの対応力と活用力の強化を図る

一方、情報通信業界では、クラウドサービス、ビッグデータ、AIなどの技術の急速な進展により、全く新しいデジタルサービスがかつてないスピードで登場していて、こうした新技術の活用可否が事業拡大により直接的な影響を与える時代になりつつあります。

トヨタ
トヨタが2016年末に発表した「コネクティッド戦略」

トヨタは、2016年末に「コネクティッド戦略」を発表済みで、「MaaSへ」の取り組みを加速するため、提供するすべてのクルマをコネクティッド化すると同時に、「MaaS」戦略を支える情報プラットフォーム「MSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)」の展開を推進しています。

トヨタコネクティッドは、MSPFの開発と、世界中で毎年、数百万台単位で増加するコネクティッドカーより収集されるビッグデータのクラウドセンター運用業務を、日本・米国を中心に世界7地域で取り組んでいるそう。一方のNTTデータは、世界50以上の国と地域で、デジタルを活用した新たな市場の創出、より質の高いサービスの提供に取り組んでいるとのこと。

こうした中、両社の中核であるモビリティサービス事業領域におけるトヨタコネクティッド、NTTデータ双方が保有する強みを掛け合わせ、さらに強固な「MSPF」の開発と拡大する車両ビッグデータへの対応力と活用力の強化が可能と判断され、今回の業務提携に至ったそうです。

具体的には、トヨタコネクティッドは、いままで培ったコネクティッドカー向けサービス事業の経験や、国内外で展開するカーシェアなどのサービス開発・運用ノウハウを活用。NTTデータは、グローバル規模でのITリソースや、クラウド・ビッグデータなどのテクノロジー活用ノウハウを掛け合わせます。さらに、MSPFをはじめとするモビリティサービス事業領域での協同開発、人財交流を通じてグローバルでの開発・運用力の強化と、高度化を図るとしています。

また、中期的には、トヨタコネクティッドの持つ顧客接点と、NTTデータの流通、小売、金融業界などの多業種に渡る顧客基盤を両社で相互に活用することで、スマートシティ構想も視野に入れた「MSPF」のサービス力強化と、グローバル規模でのさらなるプラットフォーム事業の拡大を推進し、両社連携によるシナジー効果の最大化を目指すとしています。

トヨタコネクティッドの社長である友山茂樹は、「同提携は、オープンかつ高いソフトウエア開発力を持つNTTデータ社と、弊社が担うコネクティッド戦略の展開を加速していくものです。今回の提携により、より高品質なモビリティサービスのグローバル提供体制を強化し、今後も豊かなモビリティ社会の創造に貢献していきます」とコメントしています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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