BMW X5・X6に625PS/750Nmのアウトプットを実現した「M Competition」が追加【新車】

■4.4L V8エンジンと4WDの「M xDrive」を組み合わせたモンスターSUV

2020年3月12日、BMWはX5・X6に「M」モデルである「M Competition」を追加すると発表しました。同日から受注が開始され、4月から納車が開始されます。

SUVの使い勝手と高いスポーツ性能を兼ね備えた新型「BMW X5 M」「BMW X6 M」は、究極のスポーツマシンを手掛けるBMW M社がサーキット走行を想定して開発した「Mハイパフォーマンスモデル」です。

BMW X5M
「BMW X5 M Competition」のフロントマスク

今回、導入される新型Mモデルは、よりアグレッシブなスポーツ走行を想定した「M Competition」。最高出力625PS(441kW)/6,000 rpm・最大トルク750Nm/1,800-5,600rpmを達成する4.4L V型8気筒Mツインパワーガソリンターボエンジンが搭載されています。

BMW
BMW X5Mのシフトレバーまわり

組み合わされるトランスミッションは、ドライブロジック付の8速Mステップトロニックで、駆動方式はインテリジェント4輪駆動システム「M xDrive」。さらに、アクティブMディファレンシャルを搭載することで、SUVに相応しい安定した走行を可能にするとしています。サーキットでのアグレッシブな走行にも対応し、0-100km/h加速は3.8秒を達成するそう。

■クロスバンク型エグゾーストマニフォールドを採用

両モデルに搭載されるエンジンは、新型BMW M8にも搭載されているV型8気筒エンジンで、BMW M社が培ってきた最先端の技術を投入。アクセルペダルの微細な操作にも鋭く反応し、ドライバーの意思に敏感に呼応する高性能エンジンです。

2つのターボに排気ガスを供給するエグゾーストマニフォールドは、クロスバンク型が採用されています。これにより、最大限に排気エネルギーを活用しながら素早いレスポンスを可能としつつ、燃焼室に燃料を供給するダイレクトインジェクションシステムの最高噴射圧力を350barまで高めることで、極めて微細な霧状の燃料噴射を実現。より高効率な燃焼が可能になっています。

BMW X5M BMW X6M
左がBMW X5M、右がX6M

オイル供給には、高いレベルでのサーキット走行を考慮して、オイルパンのフロント側に小型のオイルチャンバーが搭載され、極度の横方向および前後方向の負荷がかかる状況下でも、必要に応じて小型チャンバーから追加でオイル供給を可能にする吸引システムが採用されています。

BMW X5M
BMW X5Mのインパネ

先述した、インテリジェント4輪駆動システムの「M xDrive」は、高性能エンジンから発生したトルクをフロントとリヤに可変的に振り分け、さらに、アクティブMディファレンシャルの搭載により、2つの後輪間のトルクを最適化して振り分ける機構になっています。

これにより、安定した路面でのスポーツ走行から、路面状況が変化する環境下での走行まで、必要に応じてトラクションを最適化。俊敏性、走行安定性を大幅に向上させると同時に、エンジンから発生するエネルギーを、推進力としてほぼ無駄なく利用できるそうです。

さらに「M xDrive」は、後輪駆動のように正確かつ俊敏な操作特性が重視されているそうで、車両が安定性を保つために必要なタイミングを見極めて、前輪に駆動力を供給。ドライバーは、必要に応じてフロントアクスルとリヤアクスルの間の駆動力配分を設定することも可能で、デフォルトの「4WD」モード、ほぼ後輪駆動に近い「4WD SPORT」モードが用意されています。

BMW X5M
BMW X5Mのリヤビュー

エクステリアには、精悍さを強調する「M Competition」モデル専用のデザインが採用されています。Mモデルを象徴するダブルバーが使われるキドニーグリルはブラックをまとい、空力性能を向上させるM専用デザインのミラーキャップ、さらにM専用デザインのサイドギルを装備。また、Mモデルらしい刺激的なサウンドを響かせるMスポーツエキゾーストシステムも搭載されています。

新型「BMW X5 M Competition」は、屈強で存在感のあるシルエットが特徴。一方の新型「BMW X4 M Competition」は、クーペスタイルのルーフが実現する優雅なデザイン性とアグレッシブなレーシングモデルとしての要素を兼ね備えたモデルと位置づけています。

BMW X5M
BMW X5Mのフロントシート

インテリアもサーキットを想定したモデルにふさわしく、アグレッシブな走行でもドライバーの姿勢を支える「Mマルチファンクションシート」や、M専用ステアリングホイールやシフトレバーを装備。ほかにも、最新のデジタルパネルが採用された「BMWライブコックピット」やM専用コンテンツが表示されるヘッドアップディスプレイなどの充実装備もトピックスです。

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BMW X5Mのリヤシート

そのほか、高性能3眼カメラ、高性能プロセッサーとレーダーによるセンシングによる「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」を含めた先進安全装備なども用意されています。

価格は「BMW X5 M Competition」が18,590,000円、「BMW X6 M Competition」が18,990,000円です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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