■駆動方式の違いはほとんどわからない
ついにFRからFFになったBMWのコンパクトハッチモデル、新1シリーズの118iに試乗しました。
全長は4335mm、全幅は1800mm、全高は1465mmとなっています。
これは従来モデルから幅で35mmの拡大、全高は25mmアップ、そして全長は5mmマイナスとなっています。
FFとなったことでボンネットの高さが増し、これに合わせてドアの肩ラインも高くしていますが、全体のイメージは従来のF20型1シリーズのイメージをうまく踏襲できています。
室内はとりわけリアシート周りの空間が大きく拡大しました。
実はホイールベース自体は20mm短くなっているのですが、空間効率の高いFFであることから後席膝前空間は40mmプラスになっています。
頭上空間に関しては先代から大きく向上してるわけではありませんが、上下に高い室内を活かして後席のクッションの厚さは明らかに増しています。
このため後席の居住性はかなりのランクアップです。
インパネに関しても最新のBMW流のスタイルに一新されました。
FRモデルではスティック操作の機械式パーキングブレーキでしたが、このモデルでは電子式パーキングに変更となっています。
またメーターに関してはフル液晶に変更。
表示はアナログを模したものなのですが、右に位置しているタコメーターは反時計回りに回ると言う特殊なものです。
実際に乗ってみます。
3気筒の1.5Lターボは140psと22.4kgmのトルクを持っています。
すでに先代の後期モデルも3気筒がありましたから不安はありませんでしたが、やはりこのモデルでも3気筒の”高級ではない音”というのはほとんど聞こえてきません。
知らない人が乗れば4気筒だと思えるレベルです。
また、スポーツモデルのようにスパイシーな加速が味わえるわけではありませんが、必要十分以上のパンチ力があります。
サスペンションに関しては相当ハードだった先代モデルに比べると、よりしなやかになりました。
とはいえそこはさすがBMW。柔らかくしすぎてはおらず、人々がBMWにイメージするスポーティーな性格は維持しています。
FFになってハンドリングはどうなったかといえば、実は先代のFRモデルと遜色ないほどダイレクトかつクイックな印象です。
もちろん曲率小さめのコーナーなどで大きくステアリングを切ってアクセルをベタ踏みした際などの、後輪駆動が有利な局面では両者に差は出てくると思います。が、一般的な速度で走っているぶんにはドライバーには駆動方式の違いが分からないほど。
というわけで新世代のBMW1シリーズは、スポーティーのイメージはそのままに室内が広くなり、より実用度が増したモデルのでした。
(写真・動画・文/ウナ丼)