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■グランエースは国内生産!そして絶品の乗り心地!
東京モーターショー2019で参考出品されて大きな話題となり、2019年12月16日に発売されたトヨタのフルサイズ高級ワゴン「グランエース」。今回もGOODRIDE日本レースクイーン大賞で大賞を受賞した霧島聖子さんとこのグランエースを見ていきましょう。
Premiumというグレードは全長5.3m、全幅1.97mの巨体をたった6席のために使うという贅沢ぶりを発揮。そのシートも後席の4座はフル電動のエグゼクティブパワーシートという豪華さ。3列目まで差別されることなくゆったりと座ることが出来ます。
この巨体を動かすのは直列4気筒縦置きの2.8リッターディーゼルターボ。このエンジンは尿素SCRシステムでディーゼル特有の黒煙をまき散らす排出ガスをクリーンにしているため、マフラー周りが黒く汚れることもなく環境にやさしいクリーンディーゼルとなっています。
全長5.3m、車両重量2740kgのグランエースPremiumにこのエンジンは役不足ではないか?と思われる方も多いと思いますが、それは杞憂に終わります。けっして最高速を競うようなエンジンではありませんが発進からスムーズで、特に高速道路を走っても遅いと感じることはありません。
搭載されているオートマチックミッションとの相性も良く、追い越しでの加速はむしろパワフルと感じる場面も少なくない印象。急な登り坂ではディーゼル特有の太いトルクで粘り強く登っていきます。
またボンネットの中にエンジンを搭載することでキャビンとエンジンを完全に切り離すことが出来るため、室内は驚くほど静か。運転席ではかすかにディーゼル特有の金属音が響きますが、2列目以降のシートでは一切耳に入ることがありません。
ベースは海外版ハイエースと言われてはいますが、国内向けグランエースはトヨタ車体が日本国内で製造しておりサスペンション形式も乗用車専用に改良されています。
一番大きな改良ポイントはリアサスペンションで海外版ハイエースではリーフスプリングであるところをグランエースではストロークの長いコイルスプリングに変更し、それに合わせてショックアブソーバーなども最適化。特に6人乗りのPremiumの3列目、8人乗りのGの3列目と4列目シートの乗り心地を重視してセッティングされているとのことです。
走り出してみると本当に乗り心地の良さに驚きます。着座位置が高いので頭が揺すられるような動きをするのかと思いきや全ての動きが緩やかでリアタイヤのオーバーハングに乗るPremiumの3列目シートでも突き上げや細かい振動が皆無。
アルファードの3列目シートの乗り心地での妥協は何だったのか? と思ってしまうほどグランエースの乗り心地は素晴らしいものと言えるでしょう。そこには2740kgという車両重量も関係し、この車重のおかげで上屋が振られにくいどっしりとした乗り心地も実現しているようです。
■FRの恩恵か?最小回転半径は35cm短いアルファードと同じ5.6m!
グランエースは国内によくあるミニバンの駆動方式であるFFと違いリアタイヤを駆動するFRとなっています。FRではキャビンの床が高くなってしまうというデメリットはあるものの、実は数多くのメリットも存在します。
FR車は基本的にFF車に比べてエンジンを搭載する向きが90度違うのでエンジンを載せた時の横幅が狭くなり、その分前輪の切れ角を増やすことが出来ます。そのためグランエースは5.3mの全長にもかかわらず最小半径は5.6m! 35cmも短いアルファードと全く同じ最小回転半径を実現しています。
またグランエースはFRでのプロペラシャフトを床下に突起させないためにキャビンの床を上げており、無理に車高を下げるような設計をしていないため、キャビンの床を低くしたFFのミニバンに比べてサスペンションストロークも長くしているので前述の乗り心地にも寄与しています。
またグランエースは国内版のハイエースと違って前輪はドライバーより前にあるのでハンドルの位置も普通の乗用車の様な角度で備わります。この自然な角度と小さな最小回転半径のおかげで、大きな見た目を裏切る運転のしやすさを実現しています。
この運転しやすさのおかげで2mにならんとする全幅でも、よほど狭い道に入らない限り取り回しが厳しいと感じる場面は少ないといえるでしょう。実際に都心や高速道路を試乗した印象でもセンターラインのある片側1車線の道より広ければ全幅に影響されるような苦労は感じません。
しかし5.3mの全長は高速道路などの車線変更で注意を必要とします。サイドミラーは大きく見やすいのですがこの全長に慣れていないため車線変更のタイミングがつかみにくいこともしばしば。この辺りはメーカーもわかっているようでリアのコーナーセンサーの反応をサイドミラーに映す警告灯を設けています。この警告灯が点灯すると車線変更は危険だ、ということになるのです。
■トヨタ最新のインフォテーメントでコネクティブを実感
今や必携と言えるスマートフォンをフル活用するインフォテーメントと言えるディスプレイオーディオ。
トヨタでは昨年発表のカローラから新型車には標準装備とされているディスプレイオーディオですが、グランエースではビルトインタイプのものが採用されています。
ディスプレイオーディオ単体でもスマートフォンに対応しますが、オプションのTVユニットを装着することでApple Car PlayとAndoroid Autoに対応します。
意外と知られていないのがApple Car PlayでもGoogleマップが使えることです。最新のiPhone11 PROならば問題なく使えるというのが通説ですが、実はiPhone7などでもiOSを最新のものにバージョンアップすればGoogleマップがディスプレイオーディオでも使えるのです。
音楽機能重視でiTuneを使いたいがためにiPhoneを使っている方も多いでしょう。しかしマップ機能はGoogleマップに一日の長があり、どうしてもGoogleマップが使いたいという方も多いのが現状。ちょっと古めのiPhoneユーザーの方はiOSをバージョンアップすればGoogleマップが使えるようになりますのでご安心を。なお音声認識のSiriもグランエースのハンズフリーマイクから使えます。
Andoroidスマホの場合はPLAYストアからAndoroid Autoをダウンロードしておく必要があります。
Andoroid Autoさえダウンロードしておけば実はApple Car Playよりも簡単にGoogleマップが使えます。
スマホ連携もさることながらグランエースのオーディオそのものもかなり充実しています。すべての席で音像の偏りがないようになんと12個のスピーカーを装着しています。音質自体は低音が若干弱いようですが、それはディスプレイオーディオで調整できます。ちなみに、写真で表示されている画面は霧島聖子さんが2018年に所属していたレースクイーンユニット「D’Station Fresh Angels 2018」のCDから「Secret!」を演奏している様子です。
ディスプレイオーディオとスマートフォンとの接続はUSBケーブル接続で行います。これはマップ使用中に電池切れで現在位置をロストしないようにするためのものです。
取材を終えて霧島聖子さんは「サーキットへの移動はミニバンや10人乗りハイエースなどが多く、こういったカタチのクルマはレースクイーンにとってすごく身近です。移動車がグランエースになってくれたら本当に最高ですよね」と語ります。
チーム関係者、レースクイーン事務所関係者の皆さん。労働環境改善のためにもグランエースを導入なさってはいかがでしょうか?
このグランエースは東京都内ではトヨタモビリティ東京での販売となります。お近くの試乗車の配車状況は「ご試乗ガイド」のサイトで確認できます。試乗の際はこのサイトで予約をしてからディーラーにお出かけになることをおすすめします。
(写真・文:松永和浩)
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https://clicccar.com/2020/02/03/951707/
トヨタグランエース clicccar記事まとめ
https://clicccar.com/?s=%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B9
【関連リンク】
トヨタモビリティ東京 ご試乗ガイド
https://www.toyota-mobi-tokyo.co.jp/carlineup/testdrive