多彩なイベントが盛りだくさん。「第30回 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」が2019年10月27日(日)に開催

●クラシックカーのパレードや名車の展示、記念乗車撮影など見どころ満載

愛知県長久手市にあるトヨタ博物館は、自動車文化の醸成と継承を目的に、地域に根ざしたイベントとして「第30回 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」を10月27日(日)、愛・地球博記念公園(長久手市)で開催すると発表しました。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
「第30回 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」に出展するトヨタ2000GT

愛・地球博記念公園をメイン会場に、1989年以前に製造された日米欧の一般参加のクラシックカーによる公道パレードのほか、多彩なプログラムが実施されます。

今回は、30回目を記念した様々な企画が盛り込まれていて。注目が集まる公道パレードでは、多くのギャラリーが沿道で応援できるようなコースになっているそうです。トヨタ博物館がスタート地点で、年代順に一般参加車両約150台が長久手市内を愛・地球博記念公園まで走行。また、パレード後の車両展示では、名車のビンテージイヤーである1989年式車の特別展示ゾーンが設けられます。

また、企画展示の「時代を駆け抜けたクルマ」では、令和への改元を記念して、明治、大正、昭和、平成の4つの時代に生まれた象徴的なクルマ6台の展示と走行を披露。併せて、今年で30歳を迎えた小塚崇彦さん(フィギュアスケーター、JOCオリンピックムーブメントアンバサダー)が特別ゲストとして来場するそうです。

開催日時は10月27日(日)9:30~16:00(入場無料)で雨天決行。会場は愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で、パレードは8:45にトヨタ博物館から出発。1989年以前の日米欧の一般参加車両約150台が長久手市内の公道約14kmをパレードし、11:00のゴール予定。

コースは、トヨタ博物館~脇交差点~市ケ洞交差点~岩崎竹の山北交差点~市役所~長久手温泉ござらっせ~愛・地球博記念公園。参加車両は、一般参加車両が約150台、同館収蔵車両が約10台、そのほかとなっています。さらに、パレードを終えた一般参加車両とトヨタ博物館収蔵車の展示も行われます。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
EVのベイカー エレクトリック(明治35年/1902年・アメリカ)が展示される

トヨタ博物館収蔵車企画展示「時代を駆け抜けたクルマ」には、下記の名車が展示されます。

「明治」からは、ベイカー エレクトリック(明治35年/1902年・アメリカ)を展示。ガソリン車の普及が始まっても、米国ではしばらくの間、電気自動車(EV)が作られていました。静かで排気ガスが出なく、ギヤチェンジ不要で運転が楽なことから女性に人気があったそう。1馬力のモーターを使用し、時速40kmの走行が可能。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
「フランクリン シリーズ 9-B(大正7年/1918年・アメリカ)」は、世界初の空冷直列6気筒エンジンやアルミボディなどの、当時の最先端技術を満載

「大正」からは、「フランクリン シリーズ 9-B(大正7年/1918年・アメリカ)」が展示されます。多くのメーカーが高性能化を追求し、大型化する中、フランクリンは空冷エンジンと軽量化により優れた性能を誇ったユニークなメーカーです。世界初の空冷直列6気筒エンジンやアルミボディなどの、当時の最先端技術を満載していました。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
「昭和」を代表して「スバル 360 K111型(昭和34年/1959年・日本)」を展示

「昭和」からはご存じ「スバル 360 K111型(昭和34年/1959年・日本)」が登場します。国民車構想に基づいた富士重工業初の生産型軽乗用車。小型・軽量ボディに大人4人が乗れるキャビンと快適な乗り心地が特徴で、当時の水準を超える走行性能を備え、登場から約10年間にわたって軽自動車のベストセラーカーに。

「昭和」からはもう1台が展示されます。「トヨタ 2000GT 後期型(昭和44年/1969年・日本)」。1965年の東京モーターショーで発表され、ヤマハの協力を得て当時の技術の粋を集め開発した高性能グランツーリスモ。発売に先駆けて行われた連続高速耐久走行で3つの世界記録と13の国際記録を樹立し、日本車のイメージを大きく変えた名車です。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
ハイブリッドシステムが採用された世界初の量産車の初代プリウス

「平成」からは「プリウス(平成9年/1997年・日本)MEGA WEB所蔵」が登場。ご存じのとおり、ハイブリッドシステムが採用された世界初の量産車。ガソリンエンジンと電気モーターの駆動力を走行状態に応じて最適に組み合わせ、画期的な燃費の向上と大幅なCO2排出量削減を実現。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
「レクサス LFA プロトタイプ(平成22年/2010年・日本)」は、世界56ヵ国、500台の限定販売だった

もう1台「平成」から「レクサス LFA プロトタイプ(平成22年/2010年・日本)」を展示。レクサスブランドのプレミアムスポーツを示す「F」の頂点に立つクルマとして、世界56ヵ国、500台の限定販売、その内、日本は165台。CFRP(炭素繊維強化樹脂)製モノコックシャシーにヤマハと共同開発したV型10気筒4.8Lエンジンを搭載。

ほかにも、 3. Classic Car Circuit「CCC」(1回目:11:50~12:40、2回目:13:25~14:15)として、トヨタ博物館収蔵車両、一般参加車両など約20台が会場内を走行。一般参加車両はテーマごとに1回目、2回目に分かれて走行します。

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「トヨタ AB型フェートン(1938年・日本)」は、「記念乗車撮影」で登場

複数のクルマが登場する「記念乗車撮影(9:30~16:00)」も用意されています。「トヨタ AB型フェートン(1938年・日本)」は、トヨダAA型乗用車をフェートン形式(幌型)にしたモデルで、ボディデザインはAA型とは全く異なっています。1936年発売当初の価格は3,300円で、1945年までの生産台数はわずか353台。ほとんどは軍用(ABR型)として使用され、一般にはあまり渡りませんでした。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
「ジャガー XK150S(1961年・イギリス)」も「記念乗車撮影」として出展

「ジャガー XK150S(1961年・イギリス)」は、1950年代に、ジャガーの名声を築いたXK120、140の後継モデルとして1957年に登場したモデルです。ボディとほぼ一体化したフェンダーラインなど、近代的デザインを採用。このS仕様は、ルマンで活躍したCタイプと同じ高性能エンジンが搭載されています。

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量産車モーリスのパーツを使用して生産された「MGミジェット タイプTA(1937年・イギリス)」

「MGミジェット タイプTA(1937年・イギリス)」は、量産車モーリスのパーツを使用して生産された小型軽量なスポーツカー。英国製ライトウェイトスポーツカーの先駆けとしてスポーツカーの楽しさを世界に広めた代表的なクルマの1台です。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
「ロールスロイス コーニッシュⅢ(1991年・イギリス)」の同型の車両は、1993年の皇太子殿下(現・天皇陛下)御成婚記念パレードでも使用された

さらに、同乗試乗会も用意されています(1回目:12:30~13:00、2回目:13:30~14:00、3回目:14:30~15:00)。「ロールスロイス コーニッシュⅢ(1991年・イギリス)」は、南仏の海岸道路の名前のコーニッシュから命名。バカンスをリゾートで過ごすために作られた最高級パーソナルカーであり、同型のものは、1993年の皇太子殿下(現・天皇陛下)御成婚記念パレードでも使用されました。

ユニークな車両の同乗試乗も可能です。「ジープニー(1991年・フィリピン)」は、フィリピンで庶民の足として活躍している乗合バス。米軍払い下げのジープを改造したのが始まりで、各種の中古部品を利用して製作。人目を引く派手な装飾も特徴です。

トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル
「LTI TX1 “ロンドンタクシー”(2001年・イギリス)」の同乗試乗が可能

「LTI TX1 “ロンドンタクシー”(2001年・イギリス)」は、1958年以来、ロンドンタクシーとして40年近く親しまれたオースチンFXの後継として1997年に誕生しました。狭い所まで入り込むロンドンタクシーの伝統で、回転半径はなんと3.8mです。

そのほか、交通安全ゾーンやマーケットゾーン、キッチンカーや長久手市内の飲食店などが出店します。さらに、被災地支援コーナー、30周年記念オリジナルコースターとピンバッジをセット販売し、日本赤十字社を通じ収益を寄付されるほか、ミニカーや人気の「トヨタ博物館カレー」などを出張販売もあります。

2019年10月27日に開催される「第30回 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」は、幅広い層が楽しめるイベントになっていますので、家族や友人などと愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)を訪れてみてはいかがでしょうか。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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