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自動車ディーラーの顔となるのが「営業マン」です。「話をしたら買わされそう」「しつこく迫ってきそう」「こっちが買う気を見せないと何もしてくれないよね」など、営業マンとの付き合い方は難しく気を遣います。今回は、元ディーラー営業マンの筆者が、ディーラー営業マンの上手な選び方と付き合い方をお教えします。
■自分の好きなタイプをしっかり選ぶことが大切です
営業マンとのお付き合いと大層なことを書きましたが、簡単に言えば人間関係を作るということです。まずは、自分がどのような人と付き合いたいのか、どのようなお付き合いをしたいのかを考えましょう。
1. 値引きが命、ディーラーとはクルマのお付き合い以外はしないタイプ
2. クルマのことは全く知らない、いろいろ教えて欲しいタイプ
3. クルマの話を楽しくしたい、営業マンとお友達タイプ
4. やりすぎくらいがちょうどいい、しっかりケアしてほしいタイプ
大きく分けるとこの4タイプに分かれるでしょう。ご自身がどこに当てはまるのか考えてみてください。
■受付は通らず、ショールームの中で選ぶべし
営業マンを選ぶ感覚は、付き合う友達を選ぶ感覚と似ています。まずは4つのタイプのどこに当たるのか自分で想像し、その像に近い人をショールームの中で探して、自分から声をかけてしまいましょう。
1.のタイプに最適なのは、大きな値引きを生み出せる営業マン、すなわち実績があり、店長から信頼されているタイプです。年齢層的には30代後半から40代までで、それ以上の年齢層だと、店長に出世ができなかった窓際営業マンになってしまいます。事務所の中や受付の内側で、他の社員から色々質問されているようなベテランと思わしき人に声を掛けるといいでしょう。
2.のタイプに最適なのは、自分と同年代の、同性の営業マンを選ぶといいでしょう。家族構成や年齢が似ている方が、自分に合ったクルマを提案してくれますし、悩みやわからないことを共有してくれます。キーポイントは質問を投げかけたときに、その場でわからなくてもしっかり調べて答えてくれるというところです。その場で調子よくはぐらかす営業マンは、何も教えてくれない、自分のレールに乗せるだけの身勝手なタイプが多いので注意です。
3.のタイプはズバリ、カタログ置き場か展示車両・試乗車両の近くにいて、いつもクルマのそばにいる、クルマに関することに携わっている人がいいでしょう。カタログの残り部数を数えていたり、指紋のついた展示車両をこまめに拭いたりしている人もクルマが好きです。また、車両説明の際に、「私だったらこっちも好きですね」など自分の好みを話してくる営業マンもお友達タイプにはぴったりです。
4.のタイプには、女性の営業マンをおすすめします。男性営業マンよりも、お店の外に出るケースが非常に少なく、お店を訪ねても電話をしても大体繋がります。外出するケースが少ないということは、お店の中での必要なルーティーンをしっかりこなせるということです。点検の案内や、新型車の案内など十分に行ってくれます。また、女性特有の細やかさがあり、男性の私自身も「正直そこまではやれないな」と思うことがたくさんありました。しっかりケアタイプには、元気ハツラツ若めの女性営業マンがベストです。
■好きなタイプなら付き合いも楽
営業マンも人間です。一緒にいて気持ちのいいお客さんは、たとえクルマを何度も購入しなくても大切にします。普段通りに気持ちの良い人間関係を構築していけば、いいお付き合いはできます。ビジネスライクに付き合うのか、どっぷりプライベートな部分まで入り込むのかは好みが分かれるところで、営業マンによっても得手不得手があります。
常に駆け引きをしているようでは疲れてしまいますし、相手の時間を考えずに、自分の用件だけを押し通すなどのワガママな行為は、普通の人間関係が破綻してしまいます。営業マンは仕事なので、駆け引きには応じますし、ワガママにも応えます。しかし、気持ちの良いお付き合いではないでしょう。お客様は神様だから何をしてもいいわけではなく、神様は営業マンに神のご加護を与えてください。そうすれば、営業マンも全力でアナタのカーライフを応援してくれるはずです。
■まとめ
クルマという商品が最高でも人がダメでは、有意義なカーライフを過ごすことはできません。クルマは長く乗り続け、都度メンテナンスの機会が訪れます。また、5年から7年で乗り換えが起こります。その度に一から人間関係を構築していくのは骨の折れる作業です。自分に合った営業マンを選び抜いて、楽しくお付き合いをし、素敵なカーライフを送ってください。
(文:佐々木 亘)