2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、燃料電池バスがすでに都心を走っているなど、国も日本が水素社会の実現において世界をリードするアピールの場になると捉えています。
東京オリンピック・パラリンピックが約1年後に迫る2019年6月4日、トヨタ自動車は、スイス・ローザンヌにおいて、国際オリンピック委員会(以下、IOC)に燃料電池車「MIRAI」を8台納車したと発表しました。
納車式は、6月23日竣工予定で、IOCの新本部となるサステナビリティを追求した「オリンピックハウス」で行われました。今回の式典には、IOCのワールドワイドパートナーであるトヨタの代表として、トヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME)のマット・ハリソン上級副社長をはじめ、IOCのティモ・ルメ マネージング・ディレクター(テレビ&マーケティング部門)やマリー・サロ デンブレビル ディレクター(サスティナビリティ部門)などが出席したそう。
トヨタは、2015年にIOCパートナー契約を締結しています。これにより「オリンピック・ムーブメント」における初のワールドワイドなモビリティ領域のパートナーになっています。
トヨタは、「オリンピック・アジェンダ2020」に則り、オリンピック大会の関係者の協力のもと、東京2020大会をはじめ、大会への持続可能なモビリティ・ソリューションの提供を目指すとしています。東京2020大会の公式車両としてゼロエミッション車である「MIRAI」を提供するほか、冒頭で紹介した燃料電池バス「SORA」や豊田自動織機製の燃料電池フォークリフトなどにより、大会全体を側面支援する予定と表明しています。
今回竣工される「オリンピックハウス」は、「MIRAI」の導入に加え、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、ユーザーの健康を最適化しながら、エネルギー、材質、水などの面で最も厳しい基準が採用されていて、最高クラスの国際サステナビリティ認証を受けています。
さらに、スイス初となる水素ステーションを一時的に導入する予定。近隣に公共の水素ステーションが導入されるまで、再生可能エネルギー由来の水素を製造し、「MIRAI」に水素を供給するそうです。約1年後に迫った東京2020大会では、燃料電池バスやMIRAIなどのトヨタ車が世界にFCVをアピールする場にもなります。
(塚田勝弘)