■BRZは信頼性と空力が向上。WRXはドライバーの疲労を軽減
●両車とも昨年からの大幅な進化を実感!
3月10日、スバルのモータースポーツ部門であるSTI(スバルテクニカインターナショナル)は、富士スピードウェイで今季のSUPER GTとニュルブルクリンク24時間レースに参戦するマシンのシェイクダウンを行い、報道陣向けブリーフィングで今シーズンのマシンに加えられた改良ポイントなどを説明しました。
SUPER GTに参戦する「BRZ GT300」については、昨年エンジンの不具合によるリタイアが多かったこともあり、エンジンの信頼性を高めるための改良を主軸に、耐久性や今シーズンJAF GTマシンに課せられる、レギュレーションの変更に対応するプログラムが行われたことが主に語られました。またボディワークとして更に空力を味方につけるため、フロントフェンダー部の造形を新たなものとして、より多くの空気をリアウイングに当てて、よりダウンフォースを得るような造形にしたことなどが語られました。
ニュルブルクリンク24時間レースに参戦する「WRX STI NBRチャレンジ2019」については、様々な排気量や駆動方式のマシンが多く走るレースの中で、ギア比を最適化し、違うクラスのマシンの追い抜きなどが効果的に行えるような改良や、シフトチェンジの最適化でシフト時間の短縮や、ドライバーの疲労を少なくなるような工夫が行われたことが語られました。
今回のマシンの中でも見た目で一番分かりやすいのが、全体をマット塗装にし、フェンダーのエアダクトとミラー部分を「さめ肌塗装」という表面がわずかに凹凸がある独自の塗装になったことが一番のトピックスです。水泳で水着に施された鱗のようなデザインや、ゴルフボールのディンプルのように、表面に若干の凹凸がある方が、空気や水の抵抗をスムーズに流すことができて、抵抗が減るということが実証されていますが、それらと同じようにさめ肌塗装にすることで、空気の流れがよくなることが確認されているそうですが、詳しいことは実際にマシンを走らせながら解析して行く予定だそうです。
また昨年多く発生したトラブルの芽を細かく潰すことで、昨年のマシンのタイムよりもかなり良いタイムが出ているそうです。車両開発も大詰めを迎え、あとは実戦に向けて細かく煮詰めて行く段階になっているそうです。ニュルブルクリンク24時間を走るドライバーからも良い感想が聞こえているようですので、今年もクラス優勝を狙えそうです。
SUPER GTは3月に2回行われる公式テストを経て、いよいお4月13日(土)〜14日(日)決勝で、岡山国際サーキットで開幕します。ニュルブルクリンク24時間は6月20日(木)から車検などが始まり、22日(土)〜23日(日)決勝で、ドイツ・ニュルブルクリンクで開催されます。どちらのレースも大いに期待できそうです。
(テキスト&写真/雪岡直樹)