ピレリがP Zeroシリーズ初のウインタータイヤ「P Zero ウィンタータイヤ」を発表 【ジュネーブモーターショー2019】

【P Zeroシリーズにさまざまなバリエーションが登場】

2019年のジュネーブ国際モーターショーで、ピレリは新製品の「P Zero ウィンタータイヤ」、「Track Adrenaline アプリ」、新「Elect」のマーキングタイヤ、OEタイヤのカラーエディションなど多彩なアイテムを披露しました。

30年に及ぶ歴史を誇るピレリの中でも最も有名な「P Zero」。初のウインタータイヤとなる「P Zero Winter」は、低グリップのコンディション下でも高性能車のハイパワーと分厚いトルクに対応できるのが特徴。新たに開発されたコンパウンドやトレッドパターンをはじめ、多彩な技術により冬路面に対応し、サマータイヤと同等レベルの安全性とコントロール性を確保したとしています。

スポーティモデル、高級車を中心に装着される「P Zero Winter」は、全てのタイヤに車種ごとのマーキングが施されます。このマークは、ピレリのエンジニアとカーメーカーによる共同開発を証明するもので、各車両用に開発されたテイラーメイドのピレリタイヤであることを示しています。なお「P ZERO WINTER」の日本導入は、2019年シーズン以降の予定だそう。

さらに「P ZERO」シリーズでは、EV、PHEV用のタイヤであることを示す「Elect」マーキングの P Zeroタイヤが登場。「Elect」マーキングのピレリタイヤは、電動化車両の走行距離延長に寄与する転がり抵抗の低減が図られています。

もちろん、車内の静粛性を高めるノイズ低減も図られていて、タイヤが生成する音に対応することは、EVのアドバンテージである静粛性をさらに高めることに貢献。また、「Elect」マーキングタイヤは、トランスミッションからの要求により迅速なグリップを提供。トルクが大きい電気自動車に対応しています。同モーターショーで、最初にこのタイヤを装着したゼロエミッションスーパーカーは、イタルデザイン・ダヴィンチとバッティスタ・ピニンファリーナの2台です。

同じくジュネーブモーターショーで披露された「Track Adrenaline」は、サーキットを走行する一般ドライバー、プロフェッショナルドライバー、ドライビングスクール用に開発されたもので、ラップタイムの計測とともに、タイヤの内圧や温度をリアルタイムにモニタリングすることが可能です。

テレメトリーとタイヤデータを統合し、ウォームアップの時期、フライングラップのタイミング、ピットストップが必要なタイミングなどを判断し、ドライバーに通知。同システムは車両に装着するボックス、「P Zero Track Adrenaline」スマートフォンアプリ、センサーを内蔵した「P Zero Trofeo R タイヤ」から構成されています。ラップタイマーや、トラックセッションのリアルタイム分析を表示するほか、ラップタイム、スプリットタイム、最高速度および平均速度、アクセラレーション、ブレーキング、理想的なラップタイム、過去のセッションとの比較などを表示することが可能です。

そのほかにも、高級車メーカーからOEタイヤのカラーエディションがデビューしています。車両の技術的特性に適応するテイラーメイドタイヤを提供するピレリの「パーフェクトフィット戦略」に沿った、新たなパーソナライゼーションのオプション。

最大の特徴は、サイドウォールにカラーリングが施されている点で、OEタイヤのカラーエディションを装着する最初のモデルは、アストンマーティン「DBS スーパーレガッタ」。ほかの自動車メーカーも「P Zero カラーエディション」をOE承認する過程にあるそうです。ジュネーブのピレリブースでは、「P Zero」をはじめ、2輪用の「Diablo Supercorsa SP」、自転車用の「Velo」に至るまで、カラーエディションタイヤが展示されています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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