働くハイブリッド。プロボックス/サクシードに追加されたハイブリッド仕様をチェック【プロボックス HV試乗】

●アクア系ハイブリッドユニットと商用バンのマッチングは良好

トヨタの商用バン・プロボックス/サクシード。2018年12月に、ハイブリッド車が追加されました。今回、その実車をチェックできましたので報告します。

搭載されるユニットは1.5Lの1NZ-FXE型エンジンとモーターを組み合わせたもので、アクアやヴィッツなどに設定されているものと同一となります。

エンジンの最高出力は74ps/4800rpm、最大トルクは11.3kgm/3600〜4400rpm。モーターの最高出力は61ps、最大トルクは17.2kgmです。

ハイブリッド用バッテリー(ニッケル水素)は後席下に配置されます。

燃費はWLTCモードで22.6km/L、JC08モードでは27.8km/Lを達成しています。

また、今回のハイブリッド新設定に合わせてプロボックス/サクシード全車の先進安全装備を進化させ、昼間の歩行者検知機能を追加しています。採用しているセンサーはレーザーレーダーと単眼カメラのフュージョンとなります。

車内を見てみます。ラゲッジは最大開口幅が1420mmで、奥行きは後席を立てた状態で1040mm。後席を倒すと1810mmの空間が広がります。この際、一般的サイズのみかん箱が38個積載可能です。

後席は、シートバック一体可倒式となっています。ヘッドレストもなく簡素な作りですが、その分荷室拡大のための操作は簡単。シートバックを前に倒すだけで、ワンアクションでフラットな荷室となります。

なお、オプションでシートクッション材がグレードアップしてヘッドレストも付く『シートバック一体可倒クッション引き起こし式リヤシート』も選択可能です。

運転席はたっぷりしたサイズで、かけ心地も良好です。シートアジャスターで上下60mm移動でき、スライド量は前後240mmとなります。

リクライニング角度はほぼ水平に近い76度も確保。休憩時などに便利ですね。

インテリアではハイブリッド専用の一眼メーターが目に入ります。これは下部にマルチインフォメーションディスプレイを備え、ハイブリッドシステムの稼働状況などが表示されます。

センターコンソールには大小様々な小物入れが備わり、上部右には様々なサイズのスマホに対応するマルチホルダーがセットされます。下部にはUSBポートを標準装備。さらにDC12V電源と、オプションで100V電源も用意されます。

エアコンはハイブリッドのみオートエアコンが標準搭載となります。

エアコン上部には引き出し式のインパネテーブルがあり、書類を置いたり弁当を載せたりすることが可能です。

実際に運転してみると、アクアでおなじみのTHSIIユニットの作動は非常に自然で、走行時に違和感はありません。

フロント・ストラット、リヤ・トレーリングリンク車軸式のサスペンションは荷物積載時のことを考えてハードな設定ですが、不快な思いをすることはないです。

遮音・吸音材が乗用車よりは省かれているため車内は静かではありませんが、逆に運転の実感があるともいえます。前述の乗り心地とともにダイレクトな操作感が楽しめるのは商用バンならではといえるでしょう。

プロボックス/サクシード ハイブリッドの価格は192万7800円から196万5600円まで。駆動方式はFFのみとなります。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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