自動運転化にともないよりいっそう要求の高まるインフォテインメントシステムに加え、自動運転を支えるクラウド情報の取得や、車載用ソフトウェアシステムの大型化複雑化により必要となってくる無線(OTA:Over The Air)アップデート機能など、これからの自動車に外部ネットワークとの接続性確保は避けては通ることのできない要素だが、そこには新たなリスクも生まれる。成否のカギとなるのはサイバーセキュリティ技術だ。
コンチネンタルは2017年にイスラエルのスタートアップ企業、アルガス社(Argus Cyber Security)を傘下に収め、車載用途のサイバーセキュリティにおける技術領域を強化。
外部ネットワークとの接続に伴い新たに発生するリスクに対応するために、サイバーセキュリティは必要不可欠な要素だが、次世代の自動車においてはこの外部ネットワークとの接続性、すなわちコネクティビティがあらゆる面でカギとなるということもあり、サイバーセキュリティはその成否を左右するともいえる重要な技術だ。
現在はコネクティビティというとインフォテインメントが主な目的だが、当面は自動運転に必要されるであろう、クラウド経由によるデジタルマップなどの情報取得への利用が加わることに始まり、膨大な規模となる自動運転用の車載ソフトウェアを無線更新により常に最新の状態とするためのOTA(Over The Air)技術など、用途も大きく拡大する。そのいずれも自動車の安全な運用に直接関わる部分であり、セキュア(安全が確保された状態)でなければ成立し得ない。同社では車両進行方向の事故や渋滞などの障害要素を事前に取得するためのV2X(車車間、車路間通信)技術にも積極的に取り組んでいるが、ここにもやはりサイバーセキュリティは外すことのできない要素だ。
展示では他にも同社が2012年から公道での実証実験を行う自動運転技術の最新事情とそれらを支える要素技術に加え、これまで以上の出力密度を持つ電動パワートレーンに、充電の手間を大きく改善する充電ソリューションなどといった、やはり最新の電動化技術も披露。中でも注目したいのは高解像度の3Dライダー。天候状態などに左右されず常に高精度の3Dマッピングが可能という高いロバスト性を持つ最新世代のもので、なんとメカ部分を一切持たないソリッドステート型だ。
天候などの環境状況に左右されることなく三次元情報を取得することができる高解像度3Dフラッシュライダー。メカ部分を持たない完全なソリッドステート構造により、歪みのない高精度の3Dマッピングが可能で、ふたつのセンサーの組み合わせにより近距離から長距離まで対応することのできるデュアルレンジ構成となっている。
同社の提案する多機能充電システム「AllCharge」は、短時間で大容量の充電を可能とする大電流への対応はもちろん、単相交流、三相交流、直流など電力供給システムの違いや、電圧の違いがあっても充電が可能というもの。
給電機能も用意されており、キャンプや建設現場まで、これまで電源確保が困難だったシーンに変化をもたらす可能性を持っている。
同社では2025年の自動車全体における電動パワートレーンの割合を、EVが10%程度、ハイブリッド車30%程度と見積もっている。これまで従動輪とされてきたFF車の後輪に駆動力を持たせるという、電動リヤアクスルによる電動4WD化は、48V電源の普及などを追い風にハイブリッドシステムのひとつの姿として定着していくはずだ。
(MFi)