24時間お祭り騒ぎのレースだと思いきや意外にも「夜はちゃんと休む」。盛り上がっていたのは…?【ニュルブルクリンク24時間レース初体験レポート・イベント編】

パドックに観覧車が設置されるなど、日本のレースシーンとは違う感じの規模に圧倒されながら、イベント広場に足を運んでみました。

24時間レースなので、24時間イベントなどが行われているのかと思いきや、「夜はちゃんと休む」という当たり前のことが行われていて、24時間お祭り騒ぎと勝手に思っていたイメージとは違うものでした。

主にイベントが行われているのは、サーキット正面にある建物の中。予選が行われた土曜の深夜にイベントが行われてる建物に向かってみましたが、一部の飲食店は営業していましたが、車両展示のスペースや物販のお店は全てクローズ。

その中で深夜に盛り上がっていたのは、ドライビングシュミレーターとして確固たる地位を確保している「グランツーリスモ」シリーズ最新作、『グランツーリスモSPORT』のイベントでした。巨大なモニターが並ぶスペースの前に筐体がズラリと並び、横には各国の国旗が書かれた実況解説ブースも展開。

各国の国旗がプリントされたお揃いTシャツを着た選手が居るということで、ヨーロッパ各地で予選が行われ、勝ち進んだ選手たちの決勝大会が行われていました。選手が戦っている後ろではゆったりとしたスペースに、座ったり寝転んで観戦するなど各々がそれぞれの観戦スタイルで見ていられるようになっているのも日本とは違います。

深夜でも動いていたパドックの観覧車にも乗って見ました。大人1人4ユーロ、5周回転して乗降するタイプで、日本の観覧車のようにゆっくりと動きながら乗降するタイプでは無く、4カゴが下辺に来た時に乗降します。なので乗降する際には他のカゴは様々な位置で止まります、この待っている時も微妙にゆらゆらしており、カゴは密閉型では無く開放型なので風なども吹き込んできます。

回転スピードも結構早く慣れないとちょっとドキドキしてしまいます。日本の観覧車みたいにゆっくりと景色を楽しむとはちょっと違いアトラクション的な乗り物として捉えるのが正解みたいです。密閉型では無いので、綺麗な夜景風景を見ることも可能で、深夜のサーキットを上から見られるという新しい楽しみかたも体験できるものでした。

決勝日の昼間に改めて建物に向かってみました。決勝日は前夜から降りしきる雨模様でしたが、建物の中にあるので濡れないのはもちろん、風の影響を受けないのも利点ですし、何よりゆっくり休んでいられるシートとテーブルがある良い場所です。

改めて昼間に見回してみると、自動車メーカー系の車両展示がもちろん多いのと、関連するアパレルグッズ販売、今大会の公式アパレルグッズ販売、ミニカーのお店や工具のお店、ピットワークチャンレジなどの体験イベントなど日本のレースイベントの時と大きな差は無くブースが展開されていました。

日産は常設のテナントを展開しているようで、中に車両展示をしているのは当然ですが、2013年9月30日に日産GT-Rがニュルブルクリンクサーキットで7分08秒679のタイムを刻んだ記念として、GPコースといわゆるオールドコースと言われるノルドシュライフェの模型を設置、カルーセルなどに描かれるファンの落書きなども再現されていました。

恐らく映像やレースレポートなどで、ノルドシュライフェのギャラリーコーナーで昼間からお祭り騒ぎでキャンプをしながらレースウイークを過ごす、というファンのイメージが刷り込まれていたようで、実際ギャラリーコーナーは昼間からビールなど飲みながらBBQをして、大音量の音楽を流しながら楽しんでいるファンはいましたが、その他の部分は意外と冷静にレースウイークが過ぎているのを体験しました。

日本では深夜やレースウイークを長くキャンンプで過ごすという習慣はまだありませんが、このような楽しみ方が定着している文化は改めて凄いものだなと思いました。

(雪岡直樹)