デルタ電子、新しい充電器とEV充電インフラプラットフォーム発売開始

2018年2月28日(水)から3月2日(金)まで東京ビッグサイトで開催されたスマートエネルギーWeek2018「第8回[国際]スマートグリッドEXPO」。

この展示会を前に、台湾に本籍を持つデルタ電子が、2月26日(月)に新しい充電器を発表。その実機をスマートグリッドEXPOで初披露しました。

この充電器「EVDJ25」は最大出力25kWのモデルなので、急速というよりは中速充電器となります。

現在のチャデモ規格の最速の急速充電器は最大50kWのタイプとなりますが、この中速充電器は、同社の50kWタイプの実に1/10サイズまでコンパクトにした680×430×230mmというサイズで壁掛け式となります。そのため、急速充電器設置に際して行なわれる設置工事の部分でも大幅にコストダウンできる、としています。

もう一つの特徴がチャデモ方式だけではなくコンボ方式にも対応した2WAYの充電方式に対応。コネクタも2種類を用意しています(ただし、同時に充電は不可)。

この充電器の発表と同時に、会員登録不要、簡単設置・管理可能なサービスプラットフォーム「EZQC」(特許登録済)の販売も開始しています。現在、日本国内の一部EVを除く大半のEVユーザーは、充電認証カードを持っていると思います。

その多くは事前に登録し、固定会費を支払うことで充電器の使用料金を低く抑えるというシステムとなっています。しかし、この方式は日本独自のもので、充電器側でその会員カード認証のための読み取り装置を別個に設ける必要もあり、世界的に見ればこれはおかしな状況といえます。ユーザーにとっても読み取り機側の操作と充電器側の操作があり、わかりにくい場面も多々あります。

そこで、デルタ電子が提案するのが、このIoT EV充電インフラプラットフォームです。

ユーザーとしては、会員登録をせずに充電の支払決済が可能で、プライバシーの保護につながりますし、充電時に設置者側からのクーポンやポイントなども受け取れるというシステムです。世界で広く使用されている国際標準通信プロトコルOCPP(Open Charge Point Protocol)に対応。もちろんデルタ製以外の他社製急速充電器にも使用可能ということです。

充電認証カードがしっかりと浸透してしまった現在の日本国内で、爆発的に普及していくことは難しいかもしれないですが、世界基準同様に、シンプルなシステムに変わっていけば、EVの使い勝手もさらに良くなるかもしれませんね。

(青山義明)

この記事の著者

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青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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