レクサスは言わずと知れたトヨタのプレミアムブランドです。プレミアムブランドというと、クルマの主張がしっかりしていて、どちからというとユーザーが提案されたクルマに近づくようなイメージがありますが、そこはトヨタ。たとえレクサスであってもきめ細かい対応をするものです。
そのきめ細かい対応の象徴的な出来事に出会ったの。が先日行われたレクサスの試乗会でのことです。
このレクサスの試乗会はLSのターボエンジンモデルの試乗がメインだったのですが、そのほかにもいくつかの車種が用意されていました。なかでも、注目したのがRXとLXという2台のSUVです。
どちらもパワートレインやシャシー関係などの、一般的に大きな出来事と思われている変更はありませんが、実はものすごく大きなことが変わっています。それは乗車定員が異なるモデルが設定された、ということです。
クルマで一番大切なのはなんと言ってもパッケージングです。どんな大きさで、何人乗れて、どれだけ積める……ほとんどの人はまずここがクルマ選びのスタート地点となるはずです。
RXは初代モデルが国内ではハリアーと呼ばれたミドルクラスのSUVで、スタイリッシュなエクステリアが人気となっています。従来のRXは2列シート5名定員でしたが、今回は3列シート7名定員モデルが追加になりました。多人数乗車ができるクルマの人気が高まっていますが、さすがにレクサスでミニバンを売るわけにはいかないでしょう。そこで現在考えられる手法がRXにサードシートを追加するという方法だったのです。
一方、LXはシートの数が減らされました。正確に言うとオプションとして2列シート仕様が設定されました。LXはランドクルーザー200シリーズと兄弟関係にあるモデルです。過去のランドクルーザーには2列シートモデルが存在していて、それらは1ナンバーの商用バン扱いでした。
現行のランクル200にも2列シートのGXというグレードが用意されていますが、3ナンバー乗用ワゴン扱いです。LXの2列シート仕様は、このGXのレクサス版と考えればいいでしょう。
(文・写真:諸星陽一)