気になる変速フィールは、DCTでも極変速時の動きに違和感はほとんどなく、登り勾配でゆっくり走り出すようなシーンではトルコン付のATほどではないものの、目くじらを立てるほどのギクシャク感はありません。2ペダルMTであるダブルクラッチだからといって購入をためらうほどのマイナスポイントではないと言えるでしょう。
走り出しからさらに加速させると、DCTらしくスムーズなのに「変速している」と感じさせるフィールはスポーティさに拍車をかけます。
140ps/220Nmというアウトプットの1.5L 直列3気筒ツインスクロールターボは、先述した1520kgという重量に対して、発進時の加速感にモアパワー(モアトルク)を抱かせることもありません。箱根ターンパイクの登り勾配では中間加速から高速域で息切れも感じさせますが、それはある程度の速度域でしかも急勾配という状況ですから、日常域で遅いと感じることは少ないのではないでしょうか。
3気筒であることは音や振動面で多少のネガとして感じさせるものの、その点はおそらくBMWは割り切っていて、それよりも滑らかな回り方や実用域のパワー感(トルク感)、省燃費性などに重きを置いている感じを受けます。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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