トヨタ自動車とパナソニックが12月13日、「車載用角形電池事業」について協業の可能性を検討することで合意したと発表しました。
両社は1953年来、60年以上に渡る提携関係にあり、トヨタは持続可能なモビリティ社会の実現に向け、1997年に世界初の量産HV「プリウス」を発売、2014年にはFCV「MIRAI」を発売するなど、困難な課題に挑戦。
一方、パナソニックも車載用リチウムイオン電池事業を重点事業の一つに位置付けており、車載用電池に求められる様々な要求を実現させた技術力が評価され、テスラなど世界の自動車メーカーで採用されています。
今回の両社合意は、地球温暖化、大気汚染、資源・エネルギー問題という社会問題の解決に貢献するとともに、電動車への需要と期待の高まりに応えるために、中核となる車載用電池の更なる進化を目指すもの。
昨今両社を取り巻く環境が激変する中、信頼できるパートナーと従来の枠を超えて、新しい価値創造に挑んでいくことが重要との認識で一致したそうです。
両社は電動車の一層の普及に向けて、車載用電池の性能・価格・安全性等の更なる進化と安定供給能力の重要性を認識しており、業界ナンバーワンの車載用角形電池を実現すべく、具体的な協業内容を検討していくとしています。
ちなみに今回の発表会での主な注目事項は以下となっています。
・今回の協業は自前主義に捉われず大変革時期に対応するスピードが必要なため
・両社で次世代電池(高容量車載用角形電池・全固体電池)の実現を目指す
・バッテリーのリサイクル、リユースに向けたシステムも構築する必要がある
・「ZEV規制」にはEV、FCVで対応、「燃費規制」にはHV、PHVでそれぞれ対応
・トヨタは2030年までに電動車両を年間販売台数の50%以上へ(現状147万台→550万台へ)
・EV+FCVで100万台、HV+PHVが450万台、計550万台の電動化を想定
今回の記者会見の主旨とも言えそうな部分を豊田章男社長のスピーチから抜粋してみました。
・EVの普及を決める要素としては2つ存在
・一つは「環境規制のスピード」で、もう一つは「バッテリー開発のスピード」
・現在は「環境規制のスピード」に「バッテリー開発のスピード」が追い付いていない
・重くて高いバッテリーを運ぶためのモビリティがEVと言われても仕方無い状況
「2030年までにEV・FCVで100万台の普及を目指すには、パナソニックをはじめ、各アライアンス・カンパニーと共に協業していく必要が有る」と説明しており、これまでに無い大変革時期に備えた対応で有ることが読み取れます。
トヨタは2020年代前半にEVなどで航続距離が大幅に延びる次世代の「全固体電池」を実用化する方針を明らかにしており、パナソニックとの協業もその実現に向けた方策の一つと予想されます。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)
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