【新車試乗シビックタイプR】まずはタイプRの通常販売に拍手を送りたい

シビックはホンダの代表的モデルです。初代は1972年に登場しました。世界一厳しくクリアが不可能と言われたアメリカの排ガス規制(いわゆるマスキー法)を、CVCCという画期的なエンジンでクリアしたことで、一躍注目を浴びました。

その後、モデルチェンジを繰り返しながら8代目までを日本国内で販売しましたが、9代目は日本では販売されず、2017年登場の10代目から再び販売されることになりました。

一方、シビックタイプRは6代目シビックに設定されたものが初代となります。タイプRの名が最初に冠されたのはNSXで、その次がインテグラ、そしてこの6代目シビックベースになります。シビックタイプRはその後、各世代に設定されましたが、9代目ベースのタイプRは限定での発売でした。

今回登場した10代目ベースのタイプRは、台数の限定は行われずに販売されます。ちなみに9代目以降のタイプRはイギリス生産車となっています。


現行のシビックタイプRに搭載されるエンジンは2リットル4気筒のガソリンターボで、最高出力は320馬力、最大トルクは400Nmを誇ります。初代のシビックタイプRは1.6リットル自然吸気で185馬力です。いかにターボエンジンになったとはいえ、1リッターあたり160馬力にまでパワーアップしているのは驚異的ともいえます。

サスペションも刷新されました。タイプRのサスペンションは6代目ベース〜8代目ベースまでは四輪独立懸架でしたが、先代モデルはリヤサスペンションがトーションビームとなりました。そして今回の10代目ベースはリヤサスペンションにマルチリンクを採用し、再び四輪独立懸架となりました。シビックのリヤサスペンションにマルチリンクサスペンションが採用されるは初のこととなります。

(文:諸星陽一/写真:前田 惠介)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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