1990年代から交通事故死傷者ゼロを目指し、自動運転技術の研究開発に取り組んで来たトヨタ自動車。
同社では「TRI」(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)、「TC」(トヨタ・コネクティッド)を設立以降、ここ数ヶ月に渡り、自動運転に関する研究を一層加速させているそうで、2020年にはドライバーの監視の元、高速道路での自動運転を可能にしたクルマを登場させるとしています。
そうしたなか、9月27日には「TRI」における自動運転技術等の開発進捗状況や、自動運転に関するトヨタの考え方を記した「自動運転白書」を公開しました。この「白書」は、自動運転技術開発に関する指針や現在取り組んでいる研究内容、近い将来の導入計画などをまとめたもの。
最新の実験車両では、クルマ自身が障害物や路面状況を検知しながら周囲の状況を正確に把握し、より安全な運転ルートを予測。標識や道路上の白線などに関するデータを収集することで、自動運転に不可欠な地図情報を自動的に作成するそうです。
人がクルマを運転することを前提に、平行して作動している自動運転システムが、衝突の可能性がある時などに運転を支援して乗員を保護する「ガーディアン」(高度安全運転支援)と、ドライバーの注意が運転から逸れている場合や居眠りの可能性がある場合をシステムが検知し、ブレーキやハンドル操作を行う「ショーファー」(自動運転)の両モードの試験を、1台の実験車両で行うことが可能。
また「TRI」では、クルマの乗員が安全・快適に過ごせるようにするためのAI(人工知能)活用を模索しており、ドライバーの姿勢や頭の位置、視線や感情をAIが認識し、ドライバーが運転に支障をきたしそうになる状況を予測するシミュレーターを開発していそうです。
ドライバーが飲み物を手に不快そうな表情を浮かべたことを検知した際には、ドライバーが暑いと感じていると仮説を立て空調を調節したり、ドライバーが眠気を感じていると検知した際に、コーヒーを飲むよう提案、もしくはコーヒーショップまで誘導したりすることができる模様。
トヨタ自動車の伊勢専務役員は「自動運転でトヨタが最も重要視するのは安全な交通社会の実現であり、究極の目標である“交通事故死傷者ゼロ”に向けて取り組んでいく」と説明しています。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)
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