ジャガーが2040年以降の自動運転を示す「FUTURE-TYPE」を発表

ジャガー・ランドローバーが初めて開催した「Tech Fest 2017」において、次世代の高級コンパクトカーであるオンデマンド・ビークル・コンセプト「FUTURE-TYPE」を発表しました。

「FUTURE-TYPE」は、フル充電された状態の車両をオンデマンドで呼び出すことができる完全自動運転車のコンセプトカー。自動運転やコネクテッド技術、電動駆動やシェアリングサービスが採り入れられています。

その中核を担うのが、コネクテッド技術が搭載された世界初のインテリジェント・ステアリングホイールである「Sayer」です。名車Eタイプを手掛けた伝説のデザイナーであるマルコム・セイヤー(Malcolm Sayer)にちなんで名付けられたステアリングは、世界初となる音声で作動する人工知能(AI)を備え、何百ものタスクを処理するそう。

「Sayer」は、車両を呼び出すだけでなく、音楽をかけたり、レストランを予約したり、さらには冷蔵庫の中身までを把握するといいますから、買い物に行く際にメモを持って行かなくてもよくなるかもしれません。

クルマのキー(鍵)になるだけでなく、ジャガー・ランドローバーのオンデマンドサービス・クラブのメンバーカードとしての役割も担います。また、クラブのメンバーになると、自分が車両の唯一のオーナーになるか、またはコミュニティの人々と共有するかを選択することが可能。クルマを所有するという時代から、ステアリングホイールのみを所有する時代が訪れるとしています。

自動運転の技術面では、他の車と相互通信(車車間通信)可能な技術を搭載。これにより車間距離や車線変更、交差点や分岐点などで、より安全で効率的な走行ができるそう。また、「FUTURE-TYPE」は車幅が狭く、道路や駐車場の占有スペースを最小限に抑えます。

渋滞時などにドライバーにストレスがかかったり、退屈な区間を走行する際や、仕事をしたり映画を観たりしたい場合は、自動運転モードに切り替えることがもちろん可能で、逆に運転を楽しみたい場合、「Sayer」は従来のステアリングとして機能。

2040年以降となると、先進国では完全自動運転の世界だけになるのか、一部自動運転、手動運転が混在するのか分かりません。同社が「FUTURE-TYPE」で提案しているように、完全自動運転車両でもドライバーが存在するモデルがあれば時にはステアリングを握ってみるか!! という楽しい気分にさせてくれそう。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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