■インタビュー:ロバート・クビカ
私的にもう1つの見所が、元F1ドライバー ロバート・クビカ特集です。
2011年のシーズンオフに趣味のラリーで重傷を負い、一時はF1復帰が絶望視されていたクビカが今年になって積極的にテストに参加。ついにF1復帰か!? とソワソワしている方、たくさんいるのではないでしょうか。
こちらのコンテンツではハンガリーGP明けに行われたインシーズンテストで、現行F1マシン(ルノーRS17)のステアリングを再び握ったクビカに密着しています。
ラリーの事故で負傷した右腕は筋肉が落ち、依然として動きも制限されているものの、距離にして2レース分を走りきったクビカ。右腕の写真も掲載されているのですが、傷跡が残っていて痛々しい……。
トラックサイド・オペレーションを指揮するアラン・パルメインはクビカの復帰を心底喜んでいるそうです。
「彼はドライバーとしても人間的にも昔と変わっていない。でも歳を取ったぶんだけ、周囲への要求が少なくなった。とは言っても、昔の彼が厄介なヤツだったっていう意味じゃない。今の彼は完璧にいかないことがあっても受け入れるようになった。以前はコクピットのなかできっちり仕事をしてきたうえで、こちらにも完璧さを要求してきた。こっちの頭がおかしくなりそうなくらい突き詰めるドライバーだった」
ラリーで負傷してから現在まで、クビカの心境はどのように変化していったのでしょうか。
「レースに復帰したいというのは常に頭の片隅にあったけれど、最優先事項は『生き続ける』で、その次が『普通の生活を送れる状態になる』ということだった。事故に遭ってから最初の6〜8カ月の間は、そのことばかり考えていた。再びレースをするには肘の動きが不十分で、そのせいでF1をテストする気が起きなかったんだ。しばらくF1のことは考えないようにしていた」
さらに続けます。
「それから身体の機能が少しずつ回復してきて、シングルシーターを運転できるようになったと気づいたけれど、昔のような速さに戻れるかは分からなかった。それで、2016年の末には自分で目標を設定した。以前の体力を取り戻して、F1に挑戦するとね。そして、ルノーがバレンシアで12年型マシンを走らせるチャンスを与えてくれた。すべてがうまくいったよ。ポールリカールでまたテストができて、それも順調にいって、今回のテストにつながった。つまり必要な段階を踏んで、ここにいるってわけさ!」
そして最後に前向きなコメントも残しています。
「もし来シーズンはどこにも乗せてもらえず、F1に復帰できなかったとしても、なんの後悔もない。自分のすべきことはすべてやったし、与えられたチャンスもきちんと活かすことができた。僕を信じ続けてくれたルノーには本当に感謝しているし、だからこそ自分自身にも満足している。F1に復帰する準備は整った」
来年どうなるかまだ分かりませんが、いつかまたクビカがF1に戻ってきてくれる日を願うばかりです。
チャンピオンシップ争い、そして来シーズンのシート争いとますます目がはなせなくなった今シーズンのF1。「F1速報イタリアGP号」を読めば現在のF1事情が丸わかりですよ! ぜひご覧あれ!!
(yuri)
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