【SUPER GT 2017】苦手な富士でBRZが4位フィニッシュ!後半戦につなぐ大きな一歩

8月5~6日に富士スピードウェイで開催された「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 5 FUJI GT 300km RACE」。

予選5番手からスタートするSUBARU BRZ R&D SPORT。いかにターボとはいえ2リッターボクサー4エンジンではトップスピードが延びきらず、ストレートの長い富士が苦手といわれるBRZ。それでもテクニカルな第2、3セクターはトップクラスのタイムをたたき出し、予選もまずまずの位置を手に入れています。特に予選での第2セクターは井口選手がトップタイムを記録!

そのBRZ、レース序盤から激しいバトル展開を繰り広げていきます。予選6番手だった31号車プリウスとの激しい4位争い。このバトルは序盤からプリウスのピットインまで延々と繰り広げられることとなるのです。

その僅差の争いの中、31周目に5番手のポジションでピットイン。山内秀輝選手から井口卓人選手に交代し、リアタイヤ2本交換で素早いピット作業を敢行。もともとフロントタイヤに負担の少ないBRZだからこそ出来る作戦であるといえますが、それをより生かす山内選手の卓越したタイヤマネージメント能力とバトルの中でそれを維持出来る精神力が光ります。

続くスティンとでは井口選手が先行車を猛追します。この時2本交換をしたタイヤはコース復帰後のタイヤの温まりを重視したユーズドを選択。ニュータイヤだと皮むきなどに1周以上を要するためタイヤの性能がすぐには発揮できないのです。300kmというレース距離ならではの作戦といえるでしょう。

レースには11番手で復帰。しかし全車がピットインを終了する頃には4番手の位置に。

そこからは井口選手のフルアタックで前走車を追います。ラップタイムも1分41秒台とかなりのハイペース。やはり第2、第3セクターの速さはダントツです。惜しいのはストレートスピードの伸び。しかし、確実にコーナーで稼ぐスタイルは今期のBRZ本来の姿といえるでしょう。

レース後に辰己監督は「タイヤもいい選択。4本交換していたらピットワークで後続にやられてしまいますから。ストレートが遅いのをコーナーとピットで稼ぐという作戦がうまくいったと思います。順位的には4位ですがレース内容にはわりと満足しています。山内も井口もしっかりと走ってくれたことに感謝しています」と語ってくださいました。

次戦は、8月26~27日に鈴鹿サーキットで開催の第6戦「46TH INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」。優勝すれば25ポイントという大きな一番となる鈴鹿1000kmで昨年は優勝をしています。まだシリーズチャンピオンが狙える位置にいるSUBARU BRZ R&D SPORT。

苦手な富士を大健闘の4位でフィニッシュしたBRZ。得意の鈴鹿では今年も優勝に大きな期待がかかります。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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