高度経済成長を支えた小さな働き者、スバル・サンバー【SUBARU誕生カウントダウン特集・富士重工の名車】 

RRの駆動方式を採用し「農道のポルシェ」と呼ばれていたのが、スバル・サンバーです。2012年4月まで販売されていた6代目サンバーまではスバルによる自社開発、自社生産を行っていました。

1960年第7回東京自動車ショーで公開されたスバル・サンバートラックは、翌1961年2月に全国一斉発売されました。サンバートラックはスバル・360をベースとした貨物車で、当時の軽四輪トラックの中で最も低床そして最も広い荷室を実現していました。

9月になるとサンバーライトバンが発売されます。サンバーの特徴である鋭いスタートや加速力、登坂力など優れた性能をそのままに、レジャーの楽しみをプラスしたのが、サンバーライトバンです。折りたた式のスペアシートを使用すれば4人乗車に加えて、200kgの荷物も積める乗用車に早替わりします。

搭載される356cc強制空冷2サイクル並列2気筒エンジンはスバル360と同じですが、最高出力は18ps、最大トルクは3.2kg-mと出力が向上しています。

2012年まで6世代のサンバーが販売され、1980年に軽トラック・軽キャブオーバーバンとして初めて、4WDを設定。また1990年代にはスーパーチャージャー搭載モデルを設定していました。現在サンバートラック・バンはダイハツからのOEM供給車となっています。

(萩原文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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