日米仏のメーカーが参加、スマホとクルマをつなげる業界標準規格が誕生

日米仏のビッグネームが、スマートフォンアプリとクルマをつなげるオープンソースの業界標準化に向けて協力です。

sdl-logo-20170104180220

 

フォードとトヨタ自動車が、スマートフォンアプリを車内で利用するためのオープンソース「スマートデバイスリンク(SDL)」を管理する非営利団体「スマートデバイスリンク コンソーシアム」を設立しました。

このコンソーシアムには、フォード、トヨタに加え、富士重工業、マツダ、スズキ、PSAグループといった完成車メーカーをはじめ、Elektrobit、Luxoft、Xevoといったサプライヤーも参画。さらにHarman、Panasonic、Pioneer、QNXも覚書にサインするなど、事実上の業界標準を目指してスタートを切りました。

SDLにより、スマートフォンと車載インフォテインメントシステムが密接にリンクしたシームレスな操作性や情報の連続性が期待できます。

adobestock_100909392

さらに、スマートフォンと車両を連携させるにあたり、車両データへのアクセスなどを行なう場合にはセキュリティ面の心配も生まれますが、SDLにより品質やセキュリティについても向上させることが考えられているそうです。

ユーザーにとっては車内でのスマートフォンアプリを音声認識やナビ画面を通じて手軽に利用できるようになることが期待されるのです。

一方、アプリ開発者側からするとSDLを用いることで、車内のナビ画面、ステアリングスイッチ、音声認識などと、スマートフォンアプリを連携させやすくなることで可能性が広がります。

なお、SDLは、2013年にフォードによって、スマートフォンアプリと車載器を連携させる「アップリンク(AppLink)」システムとして採用済み。すでに500万台を超える車両で利用可能な実績あるシステムです。トヨタがSDLを用いた車載システムを商品化するには2018年頃とアナウンスされています。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる