なお、ボルボXC90 T8 Twin Engine AWDの「Twin Engine」のひとつを示すモーターの出力は60kW、トルクは240Nm。
GKNの「eアクセル」の特徴は、ギヤボックスとモーターを部分的に統合している点。電動モーター用の共通のアルミハウジング化やトランスミッションの同軸配置、中間シャフトとデファレンシャルにギヤを一体化することで約15kgと軽量かつコンパクト化を果たしています。
また、特許技術であるディスコネクトシステム(EDD)の採用により、高速走行時にはFFに切り替わることで損失を最小限に抑え、燃費向上などにも寄与します。
GKNのプルービンググラウンドの周回路では125km/h以上に達しないため、FFに切り替わる瞬間は確認できませんでした。担当者によると、125km/h以上に達するシーンがあってもドライバーは察知できないはずとのこと。
ボルボ・カー・ジャパンによる試乗会を含めて何度かXC90 T8 Twin Engine AWDのステアリングを握る機会がありましたが、駆動輪の切り替わりなどが感じられたことは皆無といえるほどスムーズだったのを思い出しました。
今回のGKNプルービンググラウンドの周回路を走る試乗でも、運転席と後席に座り、走行状態によりFF、FR、AWDが切り替わる様子をインパネのディスプレイで確認しながらテスト。駆動状態が切り替わる様子はディスプレイで確認しない限り、ドライバーが運転しながら感じることはないことが確認できました。
「eアクセル」は、ほかの自動車メーカーへの提案もされているそうで、今後は同システムを搭載したハイブリッド、PHVのe-アクセルAWDモデルが増えていくかもしれません。
(文/塚田勝弘・写真/小林和久、塚田勝弘、GKNドライブラインジャパン)