3階からホームストレートや1コーナーを見渡せるピットビルには、細かく会場全体図とスペースごとの展示内容を示す看板が設置されており、初めて訪れたユーザーでもわかりやすくなっていました。
惜しむらくは、マップがないとトイレの位置わかりにくかったこと。グランドスタンド側は元々トイレサインが多数表示されているが、普段は走行に来るユーザーがメインとなるエリアがメイン会場となったため、アナウンスの看板などが大きくなく人ごみではわかりにくい状況がありました。
また、せっかくならばコースで開催されているイベントの様子を流すモニターが会場内の色々な場所に設置されていれば、サーキットイベント感がよりいっそう演出できたかもしれません。
というのも、6割から7割の参加者がサーキット初体験だったのではないかと推測されたからです。
パドックを歩いていて聞こえてきた会話をかいつまんで紹介すると、「それでサーキットはどこ?」「ここはサーキットの中だよ。うちのクルマもコースの内側に停めてるの」「回りにコースがあるの!」「そうそう」や、「あそこの芝生に人が座っているねえ」「レースの時ならぎゅうぎゅうのいっぱいだよ」「ええ、あそこにそのまま座るの」「ピゴザを敷いたりしてね」、「あの塔の上に表示されているのは時計、その下は……順位と」「ゼッケン番号だね」「ふーん」「レースカーは陸上選手みたいにゼッケンがついてるから」といったもの。
初めてサーキットへ来た家族や友人と、連れて来たオーナーとの会話がそこかしこで展開されているのが印象的でした。
この贅沢なサーキット体験。これがスタンダードメニューになれとは言いませんが、ほかのサーキットイベントでも、こういったセンスの取り組みが数レースあっても面白いかもしれませんね。
(文と写真:古川教夫)