新型ホンダ・フリードをライバルのトヨタ・シエンタと徹底比較【燃費、ボディサイズ編】

シエンタが好調なのは、燃費やパッケージングだけではないでしょう。インパクトのあるエクステリアをはじめ、デザインのさじ加減が絶妙。コストを抑制しながらも安っぽく見えない内・外装の質感もヒットの要因といえそう。

siet1507_03_s一方の新型フリードは、ひと目でフリードと分かる正常進化といえるもので、初代発売から8年近くを経て登場しただけに、先代ユーザーの買い替えも促したいという意図が感じられます。

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さて、気になる燃費は、アトキンソンサイクルの1.5Lガソリンに、重希土類完全不使用のネオジウム磁石を使ったモーターを組み合わせたハイブリッドが最高値で27.2km/L。また、シエンタにはないハイブリッドの4WDを用意し、25.2km/Lという燃費を達成。

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なお、1.5LガソリンはFFが19.0km/L、4WDが17.6km/Lとなっています。ハイブリッドの燃費はシエンタに並んだものの、ガソリン車では僅かに追いつけなかったというところ。

ただし、実燃費ではなくカタログ値であり、またこの程度の差なら走らせ方次第で挽回できるはずなので燃費はほぼ互角ではないでしょうか。

次に気になるのは、ボディサイズ。

シエンタは全長4235×全幅1695×全高1675mmで、ホイールベースは2750mm。最小回転半径は5.2mとなっています。新型フリードは、全長4265×全幅1695×全高1710mmでホイールベースは2740mm。最小回転半径は5.2m。

フリードの方が全長が30mm長く、全高も15mm高くなっていますが、大差はありません。

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シートは、5人乗りの2列シート、6人もしくは7人乗りの3列シートを用意するのも両車同じ。

ただし、フリード・スパイクの流れも組むフリードは、2列シート車と3列シート車でより明確な作り分けがされています。荷室フロアやリヤバンパー下側の専用設計、またセカンドシートも2列シート車と3列シート車では異なった作りになっていて、前者は訴求点であるシートのフラット化に対応する設計となっています。

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居住性の違いは、シエンタの2列目、3列目がかなり高めの位置に座らせるのに対し、フリードはそれほど高い位置に陣取る感じではありません。それでも2列目は、前方視界もよく圧迫感を抱かせません。

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また、3列目の乗降時も足元、頭上ともに広めのスペースが確保されています。3列目のフットスペースは短時間なら許容できそうな広さにとどまりますが、頭上には身長171cmの私で10cm強の余裕が確認できました。

ただし、とくに3列目はフロアから座面までの高さが低めなので、座り心地はもう少し。子どもなら常用できそうですが、身長170cmを超える人は短時間用の域を出ないでしょう。

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燃費とボディサイズ、取り回しに大きな差はなく、パッケージングやシートアレンジ、2列シート車と3列シート車の作り込みなどがシエンタとフリードの違いのひとつといえそうです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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