とくに、ZF製のラックを採用している電動パワーステアリングの手応えがナチュラルで、直進安定性とフットワークを見事に両立しています。
回頭性の高さもFR的な挙動で運転しやすく、着座位置が高めでロングノーズであることを少し意識させられること以外、SUVという形をしたスポーツカーに乗っている感じがします。
F-PACEの開発陣は、ポルシェ・マカンをベンチマークとしたそうですが、中低速域から高速域までハンドリングを楽しめるのは甲乙付けがたいところ。
よりスポーティな味付けという意味で「わかりやすい」のは、マカンのような気がしますが、ジャガーF-PACEも十分にホットな走りが楽しめますし、乗り心地の良さも試乗車の19インチ、20インチであっても納得させられる仕上がりとなっています。
ハンドリングと適度に引き締まっていながら乗り心地が良い点などは、最近のジャガー各モデルに共通するもので、SUVのF-PACEはそのバランスがさらにブラッシュアップされています。
(文/塚田勝弘 写真/ジャガー・ランドローバー・ジャパン、塚田勝弘)