ところがスズキ、これで終わりにしなかった。
このバイクのエンジンをチューニングしてヨシムラのサイクロンマフラーを純正で装備。スーパーバイクレーサー風の段付きシートでオイルクーラーを装着。
今じゃ当たり前かもしれないけれど、当時はもう反則技ですよ。
だってハンドルひとつ変えただけで違反だ、とか言われていた時代です。
マフラー変えるっていうのはもちろん違反で改造は反則切符切られるのを覚悟じゃなきゃできなかった時代。オイルクーラーだってダメ。
そんな時代に純正で集合マフラーとオイルクーラーですもん。これが出た時は「おおー、ついにスズキが本気出した」って皆で騒いだもんです。
このバイク、GSX400FSインパルスは乗った感じももう別物でした。エンジンはヒュンヒュン回るしハンドリングも素晴らしい。
スズキはこれをその後ホンダが出したCBXにぶつけて、結局CBXに惨敗するんですが、とてもインパクトのあるマシンでした。
まあね、正直なこと言うとGSX400Fはどうでもいいバイクでした(主観です)。でもGSX400FSは素晴らしかった。
ヨシムラの手が市販車に入ったっていうのも凄かったし走りだって素晴らしかったし。もっと評価されてもいいと思うバイク。
ただね、ライバルのCBXはレースキットでまだまだ速くなったけど、インパルスは発売時点でいっぱいな感じ。チューニングパーツもなくて伸びしろがなかったイメージでした。
まあストリート派のライダーには関係ないんですけどこの頃はレースでの活躍ってセールスにもかなり影響していたんです。
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(ライター:後藤 武/Moto Be バイクの遊び方を提案するWEBマガジン)
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