顔つきは先代よりも存在感が増したスポーティなもので、先代同様に二段構成のヘッドランプを採用し、「Vモーショングリル」と呼ぶフロントグリルからボンネットフードまで連続する造形は、より彫りの深さも感じさせます。
また、セレナの特徴であるシュプールライン(階段上のショルダーライン)がスポーティ感を強調させるとともに、美点のひとつである視界の良さにも貢献。また、新たに設定される2トーンボディ仕様は、Dピラーレスのデザインもあって室内空間の広さを印象づけます。
インパネで目を引くのは、先代同様に横長のメーターデザインですが、先代よりも直線基調となっているほか、9インチの大型ナビディスプレイ、そして「プロパイロット」でも3秒以上になるとブレーキ保持時に機能する電動パーキングブレーキ(電動PKB)用スイッチもセンターコンソールに配置されているのも新型の新しい点。
5ナンバーサイズにこだわるセレナで大切なパッケージングも進化しています。坂本英行副社長が「もうこれ以上進化しないのでは?」と思うほど突き詰めて考えられていた現行型よりも室内長、室内幅を拡大させ、サードシートスライド装着車ではクラスNo.1の広さを達成。また、強度を確保しつつ、Aピラーを細くすることで運転席の減らしているのもポイントですが、こちらは追浜の「プロパイロット」試乗時でも実感できました。
「プロパイロット」以外の装備では、「インテリジェントパーキングアシスト」を新設定し、エクストレイルのそれよりも操作を簡単にして、精度を向上。
こちらはまだ公表されていませんが、テールゲートに新たな仕掛け(ガラスハッチか?)があるようで、テールゲート内側にはストラップが設けられていて、テールゲート全体の開閉操作もスプリングの補助があるとはいえ、やや重くなっているような印象を受けました。
シートは、1列目と2列目にティアナ同様に長距離でも疲れにくい「ゼログラビティシート」を採用しているほか、3列目は現行型同様に、低い位置に跳ね上げることで後方視界を妨げない工夫が盛り込まれているほか、荷室下にも大きな荷室スペースが用意されているようです。
なお、シートの着座感ですが、1列目と2列目はシートサイズも大きくて座り心地は上々。ただし、2列目は身長171cmの私だとフロアから座面までのヒール段差がまだ少し低めに感じられるのが気になるところ。3列目もシート自体のサイズはこのクラスでは大きい方ですが、こちらも座面の高さ不足を少し感じさせます。ただし、広さ感はライバルよりも確かに上という印象を受けました。
パワートレーンは、現行モデルで支持されている「スマートシンプルハイブリッド」を踏襲するも燃費性能を向上しているというから楽しみ。そのほか、ステアリングのギヤ比をクイックにして応答性を高めつつも、ダンパーのサイズアップなどにより安定性や乗り心地も改善しているとしています。
(文/写真 塚田勝弘)