この発想は便利。乗り降りしている人も確認できるアラウンドビューモニター

これは便利。アイデアが素晴らしい。

32台もの商用車を集めておこなわれた、報道向けの「小型商用車(LCV)オールラインナップ試乗会」。その会場内でボクの興味を引いたのが、新しいタイプのアラウンドビューモニター。

「アラウンドビューモニター」というのは車体の前後左右に取り付けた4つのカメラ画像を合成し、車両を真上から見下ろす俯瞰画像として画面に映す仕掛け。

バック時に車両後方を写すバックモニターの発展型で、車両周囲360度を見渡せるから安全確認がしやすく(クルマの直近にある障害物は死角となるので意外に気付きにくい)、そして駐車枠や周囲の車両との位置関係が理解しやすく車庫入れをサポートしてくれる機能です。

今やいろんな自動車メーカーに、それこそ高額なクルマだけでなく軽自動車にまで広まりつつあるけれど、最初に実用化したのは日産なんですね。

20160317Nissan LCV AloundView_11

そんなアラウンドビューモニター。ボクも知らなかったんだけど、派生モデルともいえる通常と違うタイプもあったんです。その違いをもっとも表している画面がこれ。

20160317Nissan LCV AloundView_09

普通のアラウンドビューモニターとの違いが分かります?

そう、乗り降りしている人が確認できるんです。

普通のアラウンドビューモニターの側面用カメラはドアミラーについているので、地面付近の障害物は映るけれど乗り降りしている人がいても足元しか映らない。

しかしこのモニターは、ルーフにカメラがついていて乗り降りしている人やドアの周りの様子が一目瞭然というわけなのでした。

このシステムは普通の乗用車ではなく、NV350キャラバンベースの送迎車や福祉車両、幼稚園バス、そして救急車用に考えられたもの(オプション設定)。運転席から乗り降りの様子がしっかりと確認できることで、利便性、そして安全性を高めようというアイデアなのです。

また、狭い場所では前方モニターも大活躍。クルマは真後ろだけでなく車両直前も死角であり、実はギリギリまで寄せるのは難しいけど、モニターがあれば距離感がつかみやすいから簡単確実に車両を寄せることができるのです。

送迎車などの購入を考えているみなさん、この機能を用意しているのはキャラバンだけ。「あのライバル」にはありませんから、よく検討しましょう!

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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